研究課題/領域番号 |
17790405
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
ARANY Szilvia 秋田大学, ベンチャービジネスラボラトリー, 中核的研究機関研究員 (80375229)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 歯学 / 社会医学 / 生体分子 / 分析化学 / 老化 |
研究概要 |
これまでの広範な生体サンプルを用いた研究からアミノ酸のラセミ化が複雑に不均一に起こっていることが明らかになってきた。そこで、死亡年齢の決定と同様に、生体ミネラル(骨)中のアスパラギン酸の動態を詳しく測定する方法を用いることによりことにより、曖昧な考古学的な相対年代を決定する有用な方法の開発を目的とした。本年度は、考古学的に重要なマンモスの牙から得られたサンプルと以前に詳細に検討した生体ミネラルである現代の人間の象牙質とを比較した。 これまで、このような考古学的な実験は行われていなかったので、まずはじめに我々はマンモスの象牙におけるラセミ化の動態と経時的変化を検討した。我々はヒトの歯の象牙質の分析で用いた実験方法でマンモスの象牙を分析した。マンモスの象牙層にはそれぞれの層の間でラセミ化速度が異なることが明らかになった。 マンモスの象牙は相対的にヒトの象牙質と比較して有意にラセミ化速度が低値であった。サンプルを加熱することによって、ラセミ化速度の動態を測定したところ、ラセミ化速度と加熱時間の間に直線性が見られた。これらの結果は、両方のサンプルともラセミ化速度定数は活性化エネルギーに依存していることが示された。そのことは、環境条件の影響によって古代のコラーゲンの生物学的腐食(腐敗)やアミノ酸構成の隔離状況の変化によると考えられた。マンモス象牙のラセミ化速度は当時の環境の温度を推定出来ることが示された。
|