研究課題/領域番号 |
17790447
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山口 達也 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (30397301)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 大腸癌 / Wnt / Dkk / beta-catenin / dkk |
研究概要 |
本研究の目的はDkk4のWntシグナル伝達経路への関与を解析し、大腸癌発癌過程におけるDkk4の役割を明らかにすることにある。DkkにはDkk1からDkk4まで4種類のホモログが存在するが、各々の機能の違いは明確になっていない。われわれは大腸癌で高発現している遺伝子の1つとしてDkk4を見い出し、これに着目して研究を開始した。 進行大腸癌、早期大腸癌、腺腫の腫瘍部・非腫瘍部の臨床生検検体についてReal Time-PCRを行ないDkk familyそれぞれの発現量を調べたところ、腫瘍部ではDkk2とDkk4が著明に高発現しており、悪性化に伴い発現が増加していた。Dkk1はWntの阻害蛋白であり、大腸癌でDkk1の発現低下しているとの報告があるが、Dkk1以外のDkk familyについては大腸癌での発現の報告はこれまでにない。いままでDkk4もDkk1と同様にWntシグナル伝達を制御すると考えられていたが、我々が大腸癌でDkk4が高発現することを確認したことは、Dkk1とは逆にDkk4がWntシグナル伝達経路および大腸癌の発生進展に対して促進的に作用する可能性を示している。Dkk4のWntシグナル伝達での役割を解析し、大腸癌発癌におけるDkk4の役割を明らかにすることは大腸癌発生過程の理解とその診断治療法の開発において重要であると考え、これまでDkk4を含めたDkk familyの機能を解析してきた。 現在、つぎの検討を行なっている。(1)Dkk familyの発現ベクターによる、Dkkの細胞増殖能、細胞周期への関与について。(2)βカテニンの標的であるTCFプロモータを用いたレポーターアッセイにより、DkkのWntシグナル伝達系への影響。(3)マイクロアレイ法を用いてDkkの過剰発現、抑制により発現の変化している遺伝子の網羅的な検索。
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