研究課題/領域番号 |
17790449
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 佳秀 京都大学, 医学研究科, 助手 (90378662)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | DNAメチル化 / DNMT1 / 大腸癌 / Dnmt3b / ICF症候群 |
研究概要 |
DNMT1は維持メチル化酵素と呼ばれ、細胞分裂の際にDNAメチル化を維持するために作用する酵素である。マウスにおいては、Dnmt1の欠失によってほぼすべてのDNAメチル化が消失し、初期胎生致死となることが明らかとなっている。今回我々は、大腸癌細胞株を用い、DNMT1のコンディショナルノックアウト細胞を作製することにより、大腸癌細胞におけるDNAメチル化の役割を明らかにすることを目的とし、以下の解析を行った。 大腸癌細胞株HCT116において、DNMT1の機能ドメインをloxP配列で挟んだノックインベクターを用い、相同組み換えを生じさせることよつて、コンディショナルにDNMT1を欠失させることが可能なアレルをもつ細胞を作成した。これを2回繰り返すことによって、DNMT1のコンディショナルノックアウト細胞を作成した。この細胞にCreを発現させ、DNMT1を欠失させたところ、ゲノム全体のDNAメチル化が低下し、それに伴って細胞増殖が停止した。詳細な解析により、細胞のDNAメチル化の消失に伴ってG2/Mチェックポイントが活性化され、G2期で細胞分裂が停止することが明らかとなった。さらに、その後の異常な有糸分裂への進行に伴って、様々な染色体異常やセントロメアの増幅を伴い、細胞死(mitotic catastrophe)が誘導されることが明らかとなった。 これらの結果より、大腸癌細胞の増殖と生存においてDNAメチル化が必須であることが明らかとなった。
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