研究課題/領域番号 |
17790457
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
河野 豊 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80398320)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | ヒトストローマ / クローン / 造血幹細胞増幅 / hTERT / CD34 / ストローマ / 造血幹細胞 |
研究概要 |
昨年までに、TERT遺伝子を導入したヒトストローマ細胞(hTERTストローマ細胞、以下HTS細胞)の親株より、限界希釈法を用いて9クローンのHTS細胞を樹立し、得られたHTS-1からHTS-9の形質を解析した。その結果、すべてのHTSクローンは骨芽細胞の形質を示し、さらにHTS-4からHTS-9まではalpha-smooth muscle actin(ASMA)陽性の筋線維芽細胞の形質を併せ持つことが明らかとなった。さらに造血因子と造血抑制因子の発現を検討したところ、SCF、Wnt-5A、Ang1、N-cadherinは全てのクローンにおいて同等な発現を認めたが、TPO、FL、Il-6、Ihh、Jagged-1、BMP-2、MMP-2、MMP-9、NogginおよびCerberusの発現はクローン間で異なることが明らかとなった。本年度は、さらにHTSクローンの安定性を検討したところ、HTSクローンはHTS親株よりも安定して長期培養が可能であり、増殖速度は一定でcontact inhibitionを認めるなど、2年以上の長期培養後も初代ヒトストローマ細胞とほぼ同様な形質が保たれることが確認された。次に、HTSクローンおよび親株細胞のin vitroにおける造血支持能を、CD34陽性臍帯血細胞5000個と2週間共培養することで解析した。共培養後に得られた総血球数はHTS 9クローン間とHTS親株の間で差を認めなかったが、CD34陽性細胞、CFU-C、CFU-MixおよびHPP-CFC数に関しては、HTS-8において他のHTSクローン・HTS親株に比し高値であった。また、増幅された血液細胞の表面抗原(CD11b、GPA、CD41)をflowcytometry法で検討したが、HTSクローン・HTS親株間で顕著な差を認めなかった。つぎにHTS-8あるいはHTS親株とCD34陽性臍帯血細胞を共培養した後に得られた血液細胞をNOD/SCIDマウスに移植し、6週後のマウスの骨髄中におけるヒト造血細胞の生着率を抗ヒト特異的CD45抗体を用いて解析した。その結果、HTS-8で増幅した造血細胞は、HTS親株で増幅された造血細胞とほぼ同等の生着を示すことが明らかとなった。このことは、hTERT遺伝子で不死化したヒトストローマ細胞は、クローン化しても安定して造血前駆細胞・幹細胞の支持能を保つことを示しており、今後の臨床応用に向けて有望な結果と考えられた。
|