研究課題/領域番号 |
17790472
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
花田 慎一郎 久留米大, 医学部, 助手 (30360283)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | マロリー体 / ケラチン / 小胞体ストレス / 酸化ストレス / ユビギチン・プロテアソーム / アグリソーム / サイトケラチン |
研究概要 |
(背景用的)アルコール性肝障害をはじめとする種々の肝疾患では、細胞内凝集体であるマロリー体が高頻度に観察される。マロリー体は一種のアグリソームと推測されるが、その形成機序、細胞生物学的意義は不明である。今回我々は種々の肝疾患において、酸化ストレスが肝細胞における小胞体ストレスを惹起し、小胞体での蛋白質品質管理機構が障害された結果、異常蛋白質が産生過剰となり、マロリー体が形成されるという仮説を立てた。(方法)ヒト肝癌細胞から得られた肝細胞株(Huh7細胞)およびヒト不死化肝綱胞'OUMS-29)にグルコースオキシダーゼならびにプロテアソーム阻害剤であるALLNを同時投与し、凝集体形成の有無を検討した。凝集体の形態的特徴を明らかにするため熱ショック蛋白、ガンマ・チュブリン、ユビキチン、サイトケラチンの免疫染色を行った。免疫染色に関しては野生型ケラチン18を遺伝子導入した細胞も用いた。さらに凝集体の微細構造を評価するため電子顕微鏡にて観察した。凝集体形成に小胞体ストレスが関与しているかどうかを検討するため、ストレスマーカーであるXBP・1、 Bip、リン酸化PERKの発現をウェスタンブロッティングにて評価した。(結果)グルコースオキシダーゼを培養液中に投与した結果H202の持続的発現がみられた。抗酸化剤であるN-acetyl-cysteine(NAC)を前投与した結果H202産生は減少していた。Huh7、OUMS-29細胞にグルコースオキシダーゼと少量のALLNを同時投与した結果有意に凝集体形成細胞が増加していた。NACを前投与すると凝集体形成は抑制された。免疫染色の結果、この凝集体は熱ショック蛋白、ユビキチン、p62と共在したことからマロリー体の形態的特徴を持つことが分かった。またガンマ・チュブリン、熱ショック蛋白90も共在したことから神経変性疾患でみられるアグリソームとの共通点も認められた。電子顕微鏡による観察では、凝集体は核近傍に存在し、周囲をケラチンと思われる線維性構造物が囲んでいた。凝集体を有する細胞ではしばしば拡張した小胞体や、electron-dense depositを内包するミトコンドリアが認められた。ウェスタンブロッティングの結果グルコースオキシダーゼ、ALLN投与時、小胞体ストレスマーカーは発現が増加していた。一方、小胞体ストレスを減弱させるchemical chaperoneである4-phenylbutyrate(PBA)を前投与するとストレスマーカーの発現低下が見られ、凝集体形成も抑制されていた。(考察)今回我々は酸化ストレスが小胞体ストレスを惹起し、細胞内凝集体形成に直接関与していることを明らかにした。種々の肝疾患において持続的酸化ストレスがマロリー体形成に関与している可能性がある。本実験結果は2007年度Journal of Hepatology誌に掲載予定である。
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