研究課題
若手研究(B)
遊離型ADAM8を分泌するトランスジェニックマウス(ATMS2)を用いて卵白アルブミンによる喘息モデルを作製し、可溶型ADAM8が喘息反応を抑制することを我々は見いだした。サイトカインとケモカインの検討も行ったところ、肺胞洗浄中ではIL-4,IL-5に差を認めなかったが、エオタキシンはトランスジェニックマウスの方で有意に高かった。また、血清中では、IL-4は検出されなかったが、IL-5がトランスジェニックマウスで有意に低値であった。エオタキシンはトランスジェニックマウスの喘息反応を起こした群で、起こさなかった群に対して有意に低値となった。この好酸球性炎症を抑制する機序として、ADAM8がVCAM-1の遊離に関与していることを示した。これは、ADAM8がアレルギー反応に直接関与することを示した初めての研究であった。ヒトの好酸球性炎症おけるADAM8の関与を検討するため、好酸球性肺炎患者の肺胞洗浄中に可溶型ADAM8濃度を測定した。ヒトの好酸球性肺炎患者中の肺胞洗浄液中に有意なADAM8の上昇が、急性好酸球影肺炎患者と慢性好酸球性肺炎患者に見られたが、薬剤性好酸球性肺炎患者では見られなかった。急性好酸球性肺炎ではVCAM-1とCD23との相関も見いだせたが、慢性好酸球性肺炎では見いだせなかった。この結果より、異なる病型の好酸球性肺炎ではADAM8の働きが、異なる可能性が示唆された。また、急性好酸球性肺炎では、発症早期の気管支肺胞洗浄液中のADAM8が高値であり、急性好酸球性肺炎では発症早期に関与していることが示唆された。
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