研究課題/領域番号 |
17790577
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 英之 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (30362213)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 神経変性 / ニューロン / ミクログリア / グルタミン酸 / サイトカイン / 興奮性神経毒性 / 神経細胞機能不全 / neuritic beading |
研究概要 |
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などに代表される神経変性疾患は不可逆的、進行性の病態を呈する慢性疾患で、根本的な治療法も存在しない。発症機序は不明であるが、活性化ミクログリアの興奮性神経傷害機序が大きく病態に関与していることが明らかになっている。また、神経変性の病態の大きな特徴として、ニューロン死に至る以前にニューロン自体の機能が十分に発揮されない、いわゆる神経細胞機能不全の状態が長く存続することが挙げられる。 これまでに、我々は、ニューロンの神経突起のビーズ状変性(neuritic beading)が神経細胞機能不全の初期現象として観察できることを明らかにし、これを利用した新規神経系細胞機能評価システムを構築し、国内・国際特許を出願した。また、活性化ミクログリア由来のグルタミン酸による興奮性神経毒性が神経変性におけるニューロン死に極めて大きく関与していることを明らかにした。 さらに、我々は、活性化ミクログリアのグルタミン酸産生・放出機序が生理的なものと異なる特異なものであることを突き止めた。すなわち、正常では・-ケトグルタル酸からトランスアミナーゼの作用により産生され、グルタミントランスポーターを介して放出されるのに対し、活性化ミクログリアでは細胞外グルタミンを基質としてグルタミナーゼの作用により産生され、ギャップ結合を介して細胞外に大量に放出される。そこで、グルタミナーゼ阻害薬、ギャップ結合阻害薬により生理的なグルタミン酸産代謝を阻害することなく、活性化ミクログリア由来の過剰なグルタミン酸産生・放出のみを抑制し、神経細胞死を抑制することに成功した。 以上の成果から、グルタミナーゼ阻害薬、ギャップ結合阻害薬を用いたニューロン死抑制法についても国内・国際特許を出願し、神経変性の病態解明および治療法開発をさらに進めている。
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