研究課題/領域番号 |
17790637
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 茂夫 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (10396749)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 癌 / シグナル伝達 / 内科 / 薬剤反応性 / 分子標的療法 / 白血病 / 動物モデル / アポトーシス |
研究概要 |
ヒトT-ALL Xenograftモデルによるγ-セクレターゼ阻害剤の抗腫瘍効果、およびそのメカニズムの検証 我々はこれまでT-ALLの本邦成人症例においてもNotch1遺伝子変異が一定の頻度(14例中5例)で検出されることを確認してきた。同遺伝子変異を有するヒトT-ALL細胞株を対象に、Notchシグナル阻害剤(γ-セクレターゼ阻害剤)への反応性をin vitroで調べたところ、単剤でアポトーシス誘導が観察された。そこで我々はin vivoでのγ-セクレターゼ阻害剤の抗腫瘍効果を評価した。既にヒトT-ALL細胞株がSCIDマウスへ生着すること、さらには時系列での腫瘍体積の定量性を確認しており、腫瘍細胞株を皮下接種の上、一定体積に達したのちに同剤を連日経口投与した。結果、10日から2週間でほぼ完全な腫瘍の退縮を観察した。この現象の作用機序として、(1)腫瘍細胞の直接のアポトーシス、のほか、(2)腫瘍血管新生の抑制、が関与すると考えられた。このことは腫瘍局所の組織中の血管内皮細胞を免疫染色で定量評価した結果に基づく。次に我々は、dual functionを有すると考えられるγ-セクレターゼ阻害剤の作用メカニズムを確証する目的で、同剤感受性を有するヒトT-ALL細胞株DND-41に、活性型Notch1(aN1)をレトロウイルスベクターで感染させ、in vitroで同剤抵抗性を獲得させた。DND-41-aN1株が、in vivoでγ-セクレターゼ阻害剤投与時に先述(2)の影響を受けるかを検討したところ、(2)に代表される腫瘍微小環境(腫瘍間質)への作用が意外にも大きいことが判明した。以上より、ヒト白血病(T-ALL)のXenograftモデルにおいて、Notchシグナル阻害剤であるγ-セクレターゼ阻害剤が著明な抗腫瘍効果を呈し、少なくとも2つの作用機序を有することが示唆された。
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