研究課題/領域番号 |
17790691
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 (2006) 千葉大学 (2005) |
研究代表者 |
本田 隆文 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70375765)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 細胞 / 血管新生 |
研究概要 |
(背景と目的)インビトロ血管新生の培養系に血清を微量加えることで、血清のもつ毛細血管形成能を知ることができるが、この系を用い病態解析や治療効果判定における本検査の有用性を引き続き検討した。 (方法)培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)を使用した。検体としては全身性炎症性疾患としてヒトで川崎病の血清、動物でマウスをLPS処理しARDSを惹起させたモデルの血清を使用した。前年に解析をおこなった川崎病患者については、中期予後も追跡した。細胞外基質成分をゲル化したGrowth factor reduced Matrigelでコートしたプレート上にHUVECを播種・培養した。形成された血管長の合計を画像解析で計算し定量した。 (結果)川崎病患者の中期予後,:発症1年後の血清によるHUVEC管腔形成能は免疫グロブリン治療(IVIG)反応例・不応例ともに健常例と有意差を認めなかった。臨床的には急性期の浮腫も改善している時期で、昨年の結果とあわせ実験結果と臨床像はよく相関していた。LPS処理マウス:ARDSを惹起させたマウス血清によるHUVEC管腔形成能は、正常マウス血清によるものと比し有意な低下を認めた。インビボ・インビトロ両者でP38MAPK阻害剤がLPSにより惹起されるさまざまな反応を抑制することが知られているが、P38MAPK阻害剤で培養細胞の前処理をおこなうことでARDSマウス血清によるHUVEC管腔形成能の低下を抑制することが可能であった。川崎病患者血清でのP38MAPK阻害剤の効果:IVIG不応例の治療直後血清によるHUVEC管腔形成能は、IVIG反応例における治療直後血清と比し有意な低下を認めた。P38MAPK阻害剤による前処理をおこなうとIVIG不応例血清によるHUVEC管腔形成能低下を抑制することができた。 (考察)以上から強い全身性炎症性疾患ではその血清のもつHUVEC管腔形成能が低下していることが示唆され、病態と相関があることも示唆された。またこの実験系を用いることで薬剤の治療効果判定につながる可能性があると考えられた。
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