研究課題/領域番号 |
17790701
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
澤田 博文 三重大学, 医学部附属病院, 診療等従事者 (30362354)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 肺高血圧 / 炎症 / モノクロタリン / ラット |
研究概要 |
(背景)肺動脈性肺高血圧(PAH)の病態には、炎症機序が関わることが臨床的、実験的に示唆されることに着目し、転写因子NF-κB活性化とそのメディエーターとしてVCAM-1、マクロファージ、HMGB1に焦点をあて、モノクロタリンラット肺高血圧モデルを用い検討を行った。 (目的)NF-κBを介する炎症機序と肺高血圧病変の関連を明らかにする。 (方法)7週齢のS-Dラットにモノクロタリンを投与(60mg/kg、皮下注)し投与前、投与後それぞれ、2日、4日、8日、16日、22日に、血清、心肺組織を採取し、右室肥大、血清HMGB1レベル(Westernblot)、肺組織炎症細胞浸潤(ED1免疫組織染色)、肺組織HMGB-1発現は免疫組織染色を行い解析した。さらに、NF-κB阻害剤による肺高血圧抑制効果との関連を検討した。 (結果)右室肥大は16日から認められた(RV/LV+S:p<0.01)。肺VCAM-1発現、肺マクロファージ浸潤は8日に増加し、16日、22日ではさらに増加した(p<0.01)。血清HMGB1レベルは16日から増加した。肺組織HMGB1発現は、気道系上皮細胞(核)、血管内皮(核)に認められたが、いずれも細胞質には認めなかった。血管中膜細胞では、核細胞質ともに低レベルの発現であった。16日と22日の肺組織中には細胞質HMGB1陽性単核球が多く見られた。PDTC(NF-κB阻害剤)投与により、肺高血圧、肺血管病変は抑制され(p<0.01)、これは、VCAM1、HMGB1の発現抑制を伴った。 (結論)本研究ではモノクロタリンラットの肺血管病変、肺高血圧、VCAM1発現、炎症細胞浸潤、血清HMGB1レベル、肺マクロファージの細胞質HMGB1発現に関連が認められた。これらの結果は、肺高血圧血管病変におけるこれらの炎症性メディエーターの関与を示唆する。
|