研究課題/領域番号 |
17790770
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 剛伸 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (50379799)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | EBウイルス / 痂皮 / EBER / BARTs / BZLF1 / 血清EBウイルスDNA / 予後 |
研究概要 |
EBウイルス(EBV)関連皮膚疾患の証明に痂皮をサンプルとした、潜伏関連遺伝子産物であるEBER1とBARTsの発現をRT-PCR法で確認できることを証明した.本法は感度・特異度ともに非常にすぐれており、非侵襲的に検査ができるという利点がある.この方法を用いて、EBV疾患の証明を行い、腫瘍化・予後を予測する因子の評価を行った. 末梢血単核球(PBMC)EBVコピー数は、EBVキャリア以外全例で増加しており、慢性活動性EBV感染症(CAEBV)、T/NK細胞リンパ腫、種痘様水疱症(HV)、伝染性単核症(IM)の順に検出された.血清EBVコピー数の評価では、CAEBV・T/NK細胞リンパ腫全例でEBV DNAが検出された.HVは1例のみ検出され、EBVキャリアは全例検出されなかった。 EBV抗VCA-IgG抗体価は、CAEBV、T/NK細胞リンパ腫で高抗体価を示す傾向にあったが、正常抗体価を示す例もあった.HVは全例正常既感染パターンであった。 病変部組織・痂皮を用いた再活性化の評価(BZLF1発現の検討)では、CAEBV・T/NK細胞リンパ腫の大半例で陽性、HV・EBVキャリアは全例で陰性、IMは1例のみPBMCで陽性であった. 転帰に関する検討では、血清EBV DNAが検出されたIMを除く半数以上が数年以内に死亡していた.血清EBV DNAが検出されなかった例は全例生存している.同一症例内の検討で血清EBVコピー数は皮疹軽快時に減少するという傾向が得られ、皮疹部BZLF1発現と合わせ、少なくとも皮疹部で再活性化がおこっていることが証明された. 以上より予後を予測する因子として、PBMC EBVコピー数は有用であるが、血清EBV DNAの検出はそれ以上に有用である.BZLF1陽性例、血清EBV DNA陽性例のような例が予後不良となり、重症化の指標になると考えられた.
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