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IL-17F(ML-1)の接触過敏反応における役割、および血管新生に対する影響

研究課題

研究課題/領域番号 17790786
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 皮膚科学
研究機関昭和大学

研究代表者

渡辺 秀晃  昭和大学, 医学部, 助手 (80327931)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワードIL-17F / Keratinocyte / IL-8 / サイトカイン / インターロイキン
研究概要

1.昨年度正常皮膚ケラチノサイト(NHEKs)にIL-17Fを添加すると、コントロール群(PBS)に比べ有意にIL-8を産生し、産生量はtime-dependentに増加していくことを確認した。これまでの報告では、IL-8を多量に誘導するサイトカインとしてはTNF-αが有名である。また、近年尋常性乾癬などで、IL-17Aの関与も示唆されている。今年度はまず、NHEKsのIL-8産生能をIL-17F、TNF-α、IL-17Aおよびコントロールで比較検討した。
(1)Real-time PCR法を用いm-RNAの発現を比較した。IL-17F刺激群は他の群より優位にIL-8を高度に発現していた。
(2)蛋白レベルでの比較検討をELISA法で検討した。IL-17F刺激群で、TNF-αの3.7倍、IL-17Aの8.2倍と優位にNHEKsからIL-8を産生した。
2.次にIL-17Fのシグナル伝達経路を検討した。IL-17FによるIL-8産生量は、Raf-1阻害剤およびMEK阻害剤で抑制されたが、Protein Kinase CやPhosphatidylinositol 3-kinaseの阻害剤は影響を与えなかった。以上からRaf-1-MEK1/2-ERK1/2がIL-17Fの重要なシグナル伝達経路であることを確認した。
3.IL-8は血管新生にも役割を担っていることが報告されている。そこで、NHEKsをIL-17Fで刺激し血管内皮増殖因子(VEGF)の産生をERISA法で検討した。IL-17F刺激群はコントロール群に比しVEGFの産生量が減少していた。IL-17Fは炎症性皮膚疾患の血管新生に抑制的な役割を果たしていることが示唆されたが今後の追加検討が必要である。
4.接触皮膚炎患者の皮膚を生検することが困難であったため、同様に好中球や血管新生が疾患のメカニズムに関与していることが報告されている尋常性乾癬患者におけるIL-17Fの発現を免疫染色で行った。IL-17Fは尋常性乾癬患者の皮疹部で単核球および好中球に陽性であった。
5.尋常性乾癬の患者の皮疹部および無疹部のIL-17発現をwestern blot法で検討した。IL-17Fの発現は皮疹部で陽性で無疹部では陰性であった。
上記4、5の検討は昭和大学「医の倫理委員会」の承諾を得て行った。
以上のことから、IL-17Fは尋常性乾癬などの炎症性皮膚疾患において,(1)浸潤する単核球から分泌され、(2)好中球ではautocrine機構で好中球を遊走させ、ケラチノサイトを刺激し、IL-8を多量に産生し炎症を助長させていることが示唆された。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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