研究課題/領域番号 |
17790866
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平川 雅和 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (20380454)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 悪性腫瘍 / 放射線治療 / 血管内皮細胞 / NO / iNOS |
研究概要 |
初年度の研究実績:X線照射されたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)からNOの産生増加を認め、これにX線照射により誘導されたiNosが関与が示唆された。 放射線照射によりHUVECより産生されたNOのHepG2細胞のDNA合成能への影響:放射線照射されたHUVECとL-Arg3mM存在下に72時間共培養されたHepG2細胞では、放射線非照射のHUVECと共培養されたHepG2細胞と比較してBrdUの取り込み能が有意に低下し、この反応はL-NAMEにて有意な抑制が認められた。以上より、放射線照射によりHUVECに誘導されたiNOSにより産生されたNOはHepG2細胞のDNA合成能を少なくとも活性化せず、むしろ抑制する可能性が示唆された 放射線照射によりHUVECより産生されたNOのHeG2細胞のアポトーシスへの影響:上記同様、放射線照射されたHUVECとHepG2細胞を72次間共培養し、そのあとHepG2のアポトーシスをsingle cell gel-electrophoresisを用いて検討した。放射線非照射のHUVECと共培養されたHepG2細胞に対して、放射線照射されたHUVECとL-Arg3mM存在下に共培養されたHepG2はアポトーシスを生じる細胞の有意な増かが認められた。この反応はL-NAMEで有意に抑制されました。このことより、放射線照射されたHUVECに誘導されたiNOSにより産生されるNOによりHepG2のアポトーシスが誘導されることが示唆された。 まとめ:放射線照射により血管内皮細胞に誘導されたiNosにより生じたNOは周囲の腫瘍細胞にアポトーシスを生じさせる可能性が示唆された。このことは、腫瘍内の血管内皮細胞は放射線照射の治療のターゲットとなりうる可能性が示唆され、ひいては、悪性腫瘍の治療への新しいアプローチとなりうる可能性をも示唆された。
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