研究課題/領域番号 |
17790878
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
宮戸 靖幸 日本医大, 医学(系)研究科(研究院) (10398878)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 癌 / アポトーシス / ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 体細胞変異 / 抗癌剤 / サイブリド |
研究概要 |
(1)背景 多くの癌組織、癌細胞のmtDNAに体細胞変異が蓄積していることが明らかにされている。この体細胞変異の蓄積が、癌の促進に関与したために変異mtDNAをもっ癌細胞が多くなったのか、明らかにされ、アポトーシスの抑制効果の結果であることが判明したので、抗癌剤への耐性へのミトコンドリアDNAの役割を明らかにしようとした。 (2)サイブリドの作製 細胞には核ゲノムとミトコンドリアゲノムが共存しているので、mtDNAの役割を明らかにするためには、核が共通でmtDNAだけが異なる細胞を比較しなければならない。そこで、mtDNAを消失しているHeLa細胞と脱核した細胞質を融合し、核が共通で正常mtDNAをもつ細胞と変異mtDNAをもつ細胞を作製した。この融合細胞を細胞質の融合であるのでサイブリド(cybrid)と呼ぶ。このサイブリドを用いて、mtDNAの癌のアポトーシ耐性効果、抗癌剤への耐性効果を調べた。 (3)抗癌剤へ対する耐性獲得とmtDNA変異 mtDNA変異によってアポトーシスが抑制されたので、抗癌剤への耐性へのmtDNAの役割についてサイブリドを用いて解析した。変異mtDNAをもつサイブリドは正常mtDNAをもつサイブリドよりも抗癌剤耐性であることをフローサイトメーターにより明らかにした。抗癌剤はシスプラチンと5-フルオロウラシンを用いた。 (4)温熱効果 変異mtDNAをもつ癌細胞への抗癌剤の作用を改善するために、温熱処理と抗癌剤処理を併用させた。するとmtDNAに変異がある場合でも、抗癌剤の効果が改善された。すなわち、mtDNAに変異がある場合には、抗癌剤と温熱療法を併用すると効果的であることを示唆された。
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