研究概要 |
18年度の研究は、ラット肝移植、EAE (Experimental Autoimmune Encephalomyelitis)モデルを用いて、新規免疫抑制化合物NKO26680の効果を検討した。同種ラット肝移植モデルにおいて、移植直後より14日間20,35,50mg/kg NKO26680を経口投与し、生着延長効果を検討したところNKO26680を20,35mg/kg経口投与することにより優れた生着延長効果が認められた。(Transplantation誌In press)また、EAEモデルにおいては、免疫動物の感作T細胞株を同系の正常動物に静注し、導入直後より7日間10,20,30,40mg/kg NKO26680を経口投与したところ、NKO26680を20,30,40mg/kg経口投与することにより効果が認められた。また、in vitroにおいてラット骨髄からFlt-3/Flk-2+IL-6より誘導した樹状細胞(DC)を用いて、E1田発症T細胞株との混合リンパ球反応(MLR)を検討したところMBP(ミエリン塩基タンパク質)存在下において、NKO26680の添加量依存的にリンパ球の増殖抑制が認められた。 以上より、平成17年度の成果であるin vitroにおけるNKO26680のラット骨髄由来DCの分化誘導、リンパ球活性化および移植後拒絶反応に対する免疫抑制効果に加え、in vivo動物モデルにおいてもNKO26680新しい免疫抑制剤としての可能性が示唆された。またEAEモデルの結果より、NKO26680の自己免疫疾患への応用も示唆された。
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