研究課題/領域番号 |
17790936
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辻田 英司 九大, 大学病院 (20389414)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 胆管細胞癌 / 転移・浸潤規定遺伝子 / マイクロアレイ |
研究概要 |
胆管細胞癌の頻度は原発性肝癌の10%を占め、増加傾向にある。しかし肝細胞癌のような危険群(ウイルス肝炎)を設定出来ないこともあり、発見時にはそのほとんどが進行癌である。その上、早期に腹膜播種やリンパ節転移、肝内・肝外転移を来しやすく、消化器領域で最も予後不良な癌の一つで、切除以外に有効性を証明しえた治療法はないのが現状である。よって、治療成績の向上には新しい治療法の開発が急務である。一方、癌細胞の転移・浸潤に関する遺伝子を同定するという研究は古くからあるものの、胆管癌での転移・浸潤規定遺伝子に関する報告は皆無に等しい。今回の検討において、1.ヒト胆管細胞癌株HUCCT-1より、高腹膜播種転移株、高肺転移株、高リンパ節転移株を樹立した。2.cDNAマイクロアレイにて、親株を対照に各転移株の遺伝子発現プロファイルを解析した。2.各転移株において共通変化を示した遺伝子群、特徴的変化を示した遺伝子群を同定した。3.各転移株に共通して発現が増強していた遺伝子群(2倍以上;8遺伝子)の一つはIL-1βであった。レトロウイルスベクターを用い樹立したstable transfectantは、in vitroで浸潤能が亢進し、さらに血管新生や浸潤に関連するIL-8やMMP-1の発現を亢進させていた。in vivoでも、腹膜播種を高頻度に形成した。5.肺転移株において高発現を認めたDickopff-1は肺転移株細胞質に高発現しており、臨床検体を用いた免疫組織化学染色での検討では、予後不良因子であることが明らかとなった。
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