研究課題/領域番号 |
17790999
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青山 朋樹 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (90378886)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 分化制御 / エピゲノム / メチル化 / ヒストン / コンドロモデユリンーI / エピジェネテイック |
研究概要 |
1.間葉系組織及び細胞におけるChodromodulin-1(ChM-1)遺伝子転写調節領域のメチル化 関節軟骨、骨、脂肪、筋肉、腱、靭帯、神経、血管、皮膚におけるChM-I遺伝子転写調節領域のメチル化を解析した。転写調節領域には21ヶ所のCpG配列があり、メチル化修飾の有無をbisulfite sequence法により解析した。全体の平均メチル化の頻度は関節軟骨:2.5部位、骨:10.9部位、脂肪:5.4部位、筋肉:5.6部位、靭帯:2.7部位、腱:2・5部位、神経:12部位、血管:3・5部位、皮膚:4部位であった。Sp3の転写因子結合部位を含むCpG(-52bp)については、関節軟骨:0%、骨:40%、脂肪:10%、筋肉:20%、靭帯:20%、腱:0%、神経:50%、血管:0%、皮膚:40%がメチル化修飾を受けていた。 これらの組織におけるChM-I遺伝子発現を解析した結果、関節軟骨においてのみ発現が確認された。この事からChM-I遺伝子の発現調節にはメチル化だけでなく別の因子が関与している事が明らかになった。 2.ヒストンアセチル化修飾とChM-I遺伝子の発現 間葉系幹細胞2株及び骨肉腫細胞株7株をヒストン脱アセチル化阻害剤であるMS275で処理し、ChM-I遺伝子の発現を解析したところ結果間葉系幹細胞および骨肉腫細胞株1株で発現誘導された。この時には転写因子Sp3が転写調節領域に結合した。このことからChM-I遺伝子の発現調節にはヒストンアセチル化が関与している事が判明した。 3.転写抑制因子YY1による発現抑制 ChM-I転写調節領域には転写抑制因子YY1の結合部位があり、ChM-I遺伝子転写調節領域を組み込んだルシフェラーゼアッセーを行った所、YY1との共発現で転写活性が低下した。 4.転写共益因子p300による発現促進 ChM-I転写調節領域には転写共益因子p300の結合部位があり、ChM-I遺伝子転写調節領域を組み込んだルシフェラーゼアッセーを行った所、p300との共発現で転写活性が上昇した。 これらの結果をまとめるとChM-I遺伝子の発現は基本転写因子Sp3の結合を決定するDNAメチル化、ヒストン修飾、転写抑制因子YY1、転写共益因子p300により制御されている事が明らかになった。
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