研究課題/領域番号 |
17791033
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
佐伯 仁 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (80379958)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | NMDA受容体 / 脊髄虚血 / 神経障害 / 家兎一過性脊髄虚血モデル / マグネシウム / 神経傷害 |
研究概要 |
生理的NMDA受容体拮抗薬であるマグネシウム(Mg)の虚血性神経障害保護作用が報告され、脊髄虚血でもくも膜下投与の有効性が報告されている。しかし、我々の研究では神経障害を認めない濃度(Mg 3mg/ml)のくも膜下単回投与は虚血性障害保護作用を認めず、これ以上の濃度では用量依存性に脊髄灰白質中間帯への炎症細胞浸潤を伴う神経障害(前角運動神経細胞の減少)を引き起こした。本年度は、Mgくも膜下単回投与時の神経障害の機序について、NMDA受容体発現変化およびProgrammed cell deathの関連を中心に、平成16年度に作成した家兎腰部脊髄くも膜下薬剤投与モデルの脊髄灌流固定標本を用いて検討した。【方法】予め家兎腰部脊髄くも膜下に薬物投与用カテーテルを埋め込み、神経障害が無いことを確認後、セボフルラン麻酔下にカテーテルよりMg溶液(Mg 3mg/kg)を投与した。投与後、麻酔より覚醒させ、後肢運動機能(4:正常、3:跳躍はできるが正常ではない、2:正常に座れない、1:わずかに動く、0:完全麻痺)および感覚機能(2:正常、1:感覚の減弱している領域がある、0:感覚の脱失している領域がある)を観察した。Mg投与の6時間後、2日後、4日後に全身麻酔下に脊髄を灌流固定した。NMDA受容体の発現変化の検討を目的に抗NMSDAR1抗体で、Programmed cell deathの関連の検討を目的に抗Nerve Growth Factor Receptor (NGFR)抗体で免疫染色を行った。【結果】NMAR1、NGFRともに、正常組織と比較して、脊髄灰白質中間帯および前角運動神経細胞の染色性に明らかな変化は認めなかった。【考察・まとめ】Mgくも膜下単回投与時の神経障害機序に、NMDA受容体の発現変化およびProgrammed cell deathは関与していないことが明らかになった。
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