研究課題/領域番号 |
17791061
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
柿沼 秀秋 秋田大, 医学部, 助手 (70323144)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 再燃 / 抗がん剤治療 / HDAC阻害剤 / NIS遺伝子 / ヨード放射線療法 |
研究概要 |
ホルモン不応性前立腺癌に対する化学療法剤として、ドセタキセル(DOC)やゲムシタビン(GEM)が注目を集めていることから、本研究ではこれら2剤を選択し、ホルモン不応性前立腺癌細胞(DU145)を用いてHDAC阻害剤の1つFK228の抗癌剤増強効果を検討した。本研究では、IC_<80>用量(0.56ng/ml(1.0nM))を用いて48時間前処理後に、抗癌剤を添加してその後の抗癌剤増強効果を検討した。GEMとDOCの殺細胞効果はそれぞれ、最大12.8倍と2.4倍増強されており、FK228による有効な抗癌剤増強作用が確認された。FK228の抗癌剤毒性増強作用は、FK228自身の抗腫瘍効果と抗癌剤毒性の相乗効果ではなく、むしろ、ヒストンタンパクのアセチル化状態の変化が重要な役割を果たしていると推測された。本研究では、In vivoでも同様の効果が認められるか否かをDU145担癌マウスを作成して実験を行った。in vitroでの結果をふまえ、抗癌剤としてGEMを選択した。またFK228による前処理が抗癌剤増強作用に重要であることから、FK228 2.4mg/kgをDay 1,5,9に腹腔内投与した後に、GEM 200mg/kgをDay 9に腹腔内投与する投与スケジュールとして、GEM単剤と併用療法の有効性を検討した。その結果、12週間と長期の観察期間においてFK228+GEM併用療法は、FK228単独やGEM単独よりも強い抗腫瘍効果を示しており、単独群と比べて2.5倍以上の腫瘍サイズ倍化時間の延長を認めた。これら基礎研究結果を踏まえ、次年度にはFK228によるNIS遺伝子の発現増強作用の検討を行い、腫瘍へのヨード放射線療法についての実験を予定している。
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