研究課題/領域番号 |
17791101
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
河村 和弘 秋田大学, 医学部, 助手 (10344756)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 甲状腺刺激ホルモン / 甲状腺刺激ホルモン受容体 / 着床前期胚 / 胚発育 |
研究概要 |
1.TSHの受精卵への直接作用を検討するため、過排卵刺激を行ったマウスを交配させ、2細胞期胚を採取した。得られた2細胞期胚に各濃度のTSHを添加し受精卵の経時的発育を検討した。高濃度のTSHは受精卵の発育を抑制し、特に桑実胚期以降の発育を抑制した。胚盤胞での細胞数計測では、高濃度のTSHは内細胞塊、栄養膜外胚葉層の細胞数をともに減少させた。 2.TSHによる受精卵の発育抑制にアポトーシスの発生が関与しているかどうか、caspase-3 assayおよびTUNEL法にて検討したところ、高濃度のTSHは胚盤胞のcaspase-3陽性細胞を増加させ、TUNEL染色細胞を増加させた。従って、高濃度のTSHは胚盤胞のアポトーシスを誘導することが明らかとなった。 3.これらのTSHによる作用が受精卵に発現しているTSHRを介したものかどうかを検討するため、RNAiにより授精卵のTSHRの発現抑制を試みた。RNAiの導入はzygoteへのマイクロインジェクションによって行った。マウスTSHRに対する良い抗体が存在せず、RNAiによるTSHRの発現抑制の検証は、RNAレベルでの定量により行った。RNAiによりTSHR mRNAの発現量が抑制された胚盤胞では、高濃度TSHによる発現抑制・アポトーシス誘導効果が低下した。 以上より、高濃度のTSHはその特異的受容体を介して、胚盤胞の発育抑制・アポトーシスの誘導作用を持つことが明らかとなった。
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