研究課題/領域番号 |
17791132
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
王寺 典子 (下嶋 典子) 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30398432)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | HLA-F / HLA-E / HLA-G / 生殖免除 / 免除寛容 / 妊娠高血圧症候群 / 絨毛外栄養膜細胞 / 受精卵 / 生殖免疫 / 免疫寛容 / カニクイザル |
研究概要 |
非古典的HLAクラス1(HLAクラスIb)であるHLA-E、-F、-Gのうち、HIA-Gは、胎盤絨毛外栄養膜細胞(EVT)に強く発現し、妊娠免疫に重要な分子であると推測されている。我々は、DE. Geraghtyらが作製した抗HLA-E、抗HLA-F、抗HIA-G抗体を用いた免疫染色により、後期胎盤EVTにHLA-E、-F、-G分子が揃って強く発現していることを見出してきた(J Immunol.2003.)。 さらに正常胎盤妊娠全期における発現を、HLA-Fを中心にHLA-E、-G分子も含め検討したところ、HLA-Gは妊娠全期を通じ、EVTに発現していたが、HLA-Fおよび-Eは、妊娠後期に向かい、強く発現する傾向を見出した。次に妊娠高血圧症候群胎盤における発現を調べたが、妊娠高血圧症候群胎盤EVTにおけるHLA-E、-F、-Gの発現は、正常胎盤とほぼ同様であり、妊娠高血圧症候群発症に、これらの分子の直接的な関与は見出せなかった(J Reprod Immunol.2006)。 不育症の治療の一つに、体外受精が広く受け入れられているが、2002年、Fuzziらが、体外受精卵の可溶性HLA-G抗原分泌能が着床率に関与していると報告した。HLA-Gが良胚選定に真に有効であれば、体外受精の領域では非常に画期的であり、我々も、この点について検証を試みた。しかし、我々が検討した体外受精卵培養上清109検体には、全く可溶性HLA-G抗原を検出することができなかった。さらに、可溶性HLA-G遺伝子をトランスフェクトした細胞を用いて、体外受精卵培養を模擬したところ、実際にその細胞が可溶性HLA-G抗原を産生していても、体外受精卵培養上清中の可溶性HLA-G抗原は、現存する可溶性HLA-G抗原検出方法では、検出不可能であることを示した(J Reprod Immunol. in press)。
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