研究課題/領域番号 |
17791176
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
橋本 誠 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (50343299)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 薬剤輸送システム / 内耳障害治療 / 実験モデル / 神経科学 |
研究概要 |
音響負荷によってフリーラジカルが産生され蝸牛障害が生じ、抗酸化剤がその障害を軽減することは数多く報告されている。我々は脳梗塞の治療薬として国内ですでに臨床応用されている抗酸化剤であるエダラボンを、浸透圧ポンプを用いて内耳に直接投与し、音響障害に対して有効であることを報告してきた。今年度は実際の臨床応用をみすえた現実的な投与経路として、経正円窓膜的投与と全身投与での有効性について検討した。 プライエル反射が正常なハートレイ型モルモット(オス、350〜800g)を用いた。音響負荷として4kHz中心のオクターブバンドノイズ130dB SPLを3時間加えた。投与方法としては、正円窓膜上に薬剤を浸したゼラチン留置する経正円窓膜的投与と、腹腔内投与する全身的投与とした。音響負荷の7日後にトーンバーストを刺激としてABR域値を測定し、聴覚機能を評価した。 結果として、経正円窓膜的投与ではABR域値について、8kHz、4kHz、2kHzのいずれの周波数においてもエダラボン投与群と対照群との間で有意な差を認めなかった。全身的投与ではABR域値について、8kHzと4kHzの各周波数において、エダラボン投与群は対照群と比較し、域値上昇が有意に小さかった。2kHzにおいては両群に有意差を認めなかった。 今回、経正円窓的投与法ではエダラボンの音響障害を軽減する効果を認めず、腹腔内投与ではエダラボンの音響障害を軽減する効果を認めたことから、音響障害においては血管条における虚血/再潅流障害の重要性が示唆された。また今回薬剤として臨床応用可能なエダラボンについて効果がある結果が得られたことは、エダラボンの経静脈的全身投与が音響障害の治療薬として期待ができることを示す成果である。
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