研究課題/領域番号 |
17791203
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小宮 尚 順天堂大学, 医学部, 助手 (70348978)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | マウス / OPOAE / 内耳機能 / DPOAE |
研究概要 |
近年マウスを用いた遺伝性難聴や内耳の再生医療の研究において、内耳機能の評価に聴性脳幹反射と共に歪成分耳音響放射(distortion product otoacoustic emission: DPOAE)が多くの研究機関で行われるようになってきている。マウスのDPOAE測定をより正確かつ簡便に行うことのできるシステムの作製を試みた。直径2mm程度のマウスの外耳道に挿入可能且つ周波数特性の良いブローブを作成し、入力音圧の校正とDPOAE計測をコンピュータープログラムにて制御するシステムを作成した。我々が独自に作成したプローブは、マウスの外耳道モデルを便って評価を行い測定の正確性を証明し、その上で世界的にも報告の少ない生後3週以下の幼若マウスにおける、DPOAE測定を行った。 プローブのイアホンにより、鼓膜面に正確に音圧を与えることが可能かどうか、また、鼓膜面で生じたDPOAEの音圧を、プローブ内マイクロホンで正確に計測可能かどうかについて検証を行った。ブローブ内と鼓膜面での音圧が異なってしまうようでは、正確なDPOAEを測定することができない。従って、最良のプローブはこの2点間の音圧差がより少ないものである。マウスの外耳道を模したキャビティーを作成し、プローブと校正用のマイクロホンをそれぞれ対側へ設置した校正用のマイクロホンで測定される音圧を、実際鼓膜面に届いている音圧と仮定し、この2つのマイクロホンにて測定される音圧を比較した。次に、作成した測定システムにて幼若マウス(生後21日〜14日のC57ブラックマウス)におけるDPOAE測定を行った。DPOAEの周波数がそれぞれ、8kHz、20kHz、30kHzとなるよう出力周波数f1及びf2を設定し測定を行った。ローブの性能評価においては、校正用マイクロホンで測定した音圧とブローブ内のマイクロホンで測定した音圧とでは、6kHzと17kHz周辺に軽度の開きを認めたが、1kHZ〜50kHzにおいて、ほぼ同様の値が得られた。これにより正確なDPOAEの測定が可能な事が証明された。 幼若マウスにおいて、DPOAE周波数が8kHz、20kHzにおいてそれぞれ-2〜35dB、-8〜30dBのDPOAEの測定に成功し、通常測定が困難な高音域(DPOAE=30kHz、fl=37.5k、f2=45k)でのDPOAEの測定も-10〜20dBのDPOAEが測定可能であった。そして生後2週のマウスにおいては3週と比較すると、高音域のDPOAEの値が低く内耳の発育段階を示しているものと考えられた。
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