研究課題/領域番号 |
17791223
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 自治医科大学 (2006) 東京大学 (2005) |
研究代表者 |
国松 志保 自治医科大学, 医学部, 講師 (80301563)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 緑内障 / 高眼圧 / 動物モデル / サル / 血流 / レーザースペックル |
研究概要 |
カニクイザル(n=9、メス、2.6-4.8kg)の片眼の線維柱帯にアルゴンレーザーを2-3回繰り返し照射し、片眼の高眼圧状態が1年以上にわたり持続したサル高眼圧緑内障モデルを作成した。レーザー処置43-80週後の眼圧の安定している時期に、中枢選択性が高いカルシウムチヤンネル格抗薬であるニルバジピン0,001mg/kgをエタノール、ポリエチレングリコール、蒸留水を含む等張の溶媒に溶解し投与した。レーザースペックル法で測定した対側の無処置眼の視神経乳頭血流速度は投与15分後をピークに約12%有意に増加したのに対し、緑内障モデル眼での血流速度増加は投与10分後に最大約5%にとどまり、両眼のあいだに有意差があった。強力な生体内血管収縮物質であるエンドセリン-1 500ng/kgの静脈投与後、対側の無処置眼の視神経乳頭血流速度は投与90分後をピークに約16%有意に減少したのに対し、緑内障モデル眼での血流速度は有意に変化せず、両眼のあいだに有意差があった。臨床で用いられているα-1受容体格抗薬である5%フエニレンフリンの1回点眼後、対側の無処置眼の視神経乳頭血流速度は投与60分後をピークに約10%有意に減少しだのに対し、緑内障モデル眼での血流速度の減少は投与90分後に約4%にとどまり、両眼のあいだに有意差があった。眼球摘出後にmicro perflision systemを用いてin vitroで網膜血管の薬剤反応性の解析を試みたが、血管の脆弱性により信頼性のある結果を得ることは困難であり、今後後眼部の短後毛様動脈を対象とした解析を予定している。 本研究により、高眼圧緑内障モデル眼では正常眼に比べて静脈内、点眼での各種薬剤投与時の眼局所組織血流の変化に相違が見られることが明らかになった。緑内障眼と正常眼では局所の循環状態や治療薬の効果が異なる可能性が示唆された。
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