研究課題/領域番号 |
17791240
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鈴木 崇 愛媛大, 医学部附属病院 (70398048)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | S.epidermidis / バイオフィルム / 結膜嚢 / 接着 / 常在菌 |
研究概要 |
我々は、S.epidermidisのバイオフィルム形成能と結膜との関係を調査するために、結膜嚢から検出されたS.epidermidisのバイオフィルム形成能を顔部皮膚からの分離株と比較検討した。方法として47名の健常ボランティアの結膜嚢、顔部皮膚の細菌培養を行い、各部位から分離できたS.epidermidisのバイオフィルム形成能(1:バイオフィルム産生遺伝子[icaA遺伝子]の保有2:バイオフィルム形成能定性3:バイオフィルム形成能定量)を検討した。また、同様の検討を、白内障手術前に患者結膜嚢より分離できたS.epidermidis36株についてもおこなった。結果は47名の健常ボランティアの結膜嚢から10株、顔部皮膚から40株のS.epidermidisが検出でき、バイオフィルム産生遺伝子であるicaA遺伝子は、結膜嚢由来株の60%、顔部皮膚由来株の15%から検出された。定性的検討では、結膜嚢由来株の50%、顔部皮膚由来株の5%において、バイオフィルム形成を認め、定量的検討では、顔部由来株群と比較し、結膜嚢由来株群において、有意にバイオフィルム産生量が多かった。なお、白内障手術前に結膜嚢より分離できた36株の69%がicaA遺伝子を保有し、44%がバイオフィルム形成能を有していた。すなわち、結膜嚢由来のS.epidermidis検出株群は、顔部皮膚由来のS.epidermidis検出株群と比較して、バイオフィルム産生遺伝子の保有率、バイオフィルム形成能ともに高かった。結膜嚢内は、涙液による物理的排除や涙液中の抗菌物質の働きによって、細菌が定着しにくい部位である。そのため、S.epidermidisが結膜嚢に定着し、常在するために、バイオフィルム形成能を獲得している可能性があり、今後は、結膜嚢におけるバイオフィルム形成の詳細なメカニズムについて追及する。
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