研究概要 |
Smad3^<ex8/ex8>マウスとSmad3^<+/+>マウスをエーテル麻酔し,足底にリポポリサッカライドを30μg注入して実験的エンドトキシン誘発ぶどう膜炎を惹起した。一定時間後(1,2,6,12時間,1,2,5,10日,1,3か月後)に屠殺,眼球摘出し,組織学的検討を行った。眼球の連続切片を作成した。 Smad3^<+/+>マウスでは,HE染色でぶどう膜炎誘発後局所的に前嚢下白内障と思われる部分が1ケ月後に認められたものがあった。上皮間葉系移行のマーカーであるα平滑筋アクチン,コラーゲンの発現が1ケ月目以降に若干みられた。TGFβ,CTGFなどのgrowth factorは1ケ月後に軽度に認められた。上記切片でTGFβ系の活性化の指標となるリン酸化Smad2,Smad3の核内移行の有無,さらにそれらの発現時間経過,発現部位について,免疫組織化学で検討した。リン酸化Smad2,Smad3は10日目に核内に染色性がわずかに認められた。 Smad3^<ex8/ex8>マウスでは白内障はみられなかった。またα平滑筋アクチン,コラーゲン,TGFβ,CTGFは認められなかった。 PCNA(proliferative cell nuclear antigen)の発現を免疫組織化学的に調べ,水晶体上皮細胞の増殖能を調べた。 Smad3^<+/+>マウスでは2日目以降にPCNA陽性細胞が認められた。Smad3^<ex8/ex8>マウスでは発現していなかった。 TUNNEL法により水晶体上皮細胞のアポトーシスを検討した。Smad3^<+/+>マウスでは1日目にTUNEL陽性細胞がみられた。
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