研究課題/領域番号 |
17791258
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
慶野 博 東京医科大学, 医学部, 講師 (90328211)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 制御性T細胞 / 自己免疫疾患 / ぶどう膜炎 / autoimmune uveitits / CS25^+ regulatory T cells |
研究概要 |
近年、末梢性免疫寛容の誘導メカニズムとして様々なタイプの制御性T細胞の存在が挙げられる。とくにCD4^+D25^+制御性T細胞は正常個体の末梢に生理的に存在するT細胞集団であり、免疫応答を抑制的に制御し、この細胞集団の機能的異常がマウスやヒトにおける自己免疫疾患の発症に関与することが報告されている。以前、我々は抗CD25抗体を用いてCD25陽性T細胞をマウス生体内から除去すると、ぶどう膜網膜炎が自然発症することを証明し、CD4^+CD25^+制御性T細胞が網膜抗原に対するトレランスの誘導に極めて重要な働きをしていることを示した。そこで、本実験ではナイーブなマウスの脾臓より得られた抗原非特異的な内在性CD4^+CD25^+制御性T細胞を養子移入することでヒト難治性ぶどう膜炎の実験モデルである、実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(experimental autoimmune uveoretinitis : EAU)を抑制できるか否か検討を行った。 まずぶどう膜炎を惹起する抗原であるヒトInterphotoreceptor retinoid binding protein(IRBP)peptide 1-20をC57BL/6マウスに免疫、その7日後にナイーブなマウスから採取したCD4^+CD25^+制御性T細胞を養子移入したところ、ぶどう膜網膜炎の有意な軽症化が確認された。またぶどう膜網膜炎の発症後にCD4^+CD25^+制御性T細胞を養子移入したところ、同様に炎症の軽症化がみられた。 さらにCD4^+D25^+制御性T細胞を移入された群では、抗原に対する細胞性免疫能の抑制がみられ、また抗原刺激によって活性化された脾臓由来T細胞のリンパ球増殖反応も抑制されていた。 一方in vitroにおいてもCD^+4D25^+制御性T細胞は抗原特異的T細胞の活性化ならびにIFN-gamma、IL-2の産生を抑制した。 このように、移入されたCD4^+D25^+制御性T細胞は全身の細胞性免疫能を抑制することでEAUを制御することが明らかとなった。今後、制御性T細胞の養子移入による細胞療法がぶどう膜炎に対する新たな治療法となりうることが期待される。
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