研究課題/領域番号 |
17791282
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
岡田 恵美 東邦大学, 医学部, 助教 (50318242)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ケロイド / アポトーシス / 耳垂 / 細胞増殖 / 肥厚性瘢痕 |
研究概要 |
近年、肥厚性瘢痕・ケロイドへのアポトーシス関与などが着目されつつあり、その病態解明のため様々なアプローチがなされている。われわれは、上記の病的瘢痕においてカスパーゼ3の有意な発現増加とアポトーシス細胞の増加を確認している。また、in vitroの実験からもケロイド線維芽細胞ではアポトシス誘導能の増加とカスパーゼ3の活性増加を認め、この活性とアポトーシス誘導能がカスパーゼ3阻害剤で抑制されることも確認している。さらに耳垂ケロイドは他部位に生じたケロイドに比べ切除後の再発率が低いとされ、われわれの施設でも積極的に外科的治療を行い、良好な結果を得ている。この臨床的経験をもとに、今回、耳垂ケロイドと他部位ケロイドとの組織学的な比較検討を行う目的で(1)部位別ケロイドにおけるアポトーシスの発現特異性とその病態関与の解明(2)ケロイドにおける線維芽細胞のアポトーシス発現とその誘導分子の同定(3)ケロイド線維芽細胞アポトーシスにおけるカスパーゼ活性化経路の解明(4)部位別ケロイド組織における細胞増殖能の解析を試みた。耳垂ケロイドに比し、他部位ケロイドでは細胞増殖能の低下を認めた。また、アポトーシスに関しては耳垂、他部位ケロイドでの発現性は低く、両者に有意差は認められなかった。詳細解明のため、matrix metalloproteinases (MMPs)とtissue inhibitor of metalloproteinases (TIMPs)の発現性を解析した。ケロイドでMMP-2、TIMP-2,-3の有意な発現増加を認めたが、耳垂と多部位ケロイドでの有意差は認めなかった。MMP-2とTIMP-2は共発現を示すことが多く、TIMP-2を介したMMP-2の活性化がケロイドのcollagen bundleの分解や病変の拡大伸展に関与していると考えられた。今後更なる検討を要すと思われた。
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