研究課題/領域番号 |
17791323
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北山 友也 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60363082)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | パーキンソンモデル動物 / 摂食障害 / 神経前駆細胞 / 移植 |
研究概要 |
本年度は前年度の研究成果、即ち開発に成功した6-hydeoxy dopamineを用いた薬物誘発性パーキンソンモデル動物に対する更なる詳細な検討をおこなった。 前年度に観察されたモデル動物の黒質ドパミン神経の脱落および神経系前駆細胞の移植による効果を定量的に検討した。その結果、モデル動物において神経系前駆細胞の移植直前の細胞数が、同細胞を移植することにより2週間後でも維持されることが判明した。 嚥下中枢の存在する孤束核における神経細胞の脱落について検討をおこなったところ、モデル動物において同領域における神経細胞の脱落が認められた。また、神経系前駆細胞の移植により、移植直前の神経細胞数が維持されていた。これらの成果から、パーキンソンモデル動物における摂食障害は、嚥下障害を含む可能性が考えられる。しかしながら、モデル動物の肺および気管内に異物の存在が認められないことから誤嚥の可能性は低いと考えられる。 次に、移植をおこなった神経系前駆細胞の体内における動態を検討した。培養状態の神経系前駆細胞にthymidineのトレーサーである5-bromo-2'-deoxyuridineを取り込ませDNA内に標識した。これら標識細胞をモデル動物に移植した。その結果、移植細胞は2週間後でも移植部位で確認できたが、損傷部位である黒質および孤束核では確認できなかった。したがって、移植による神経細胞脱落の減少は、神経系前駆細胞の損傷部位における分化による神経細胞の補充の可能性は低いと考えられる。さらに、定量的な検討から神経系前駆細胞の移植は神経細胞を増加させるのではなく、細胞数を維持していると推察される。これらの成果から、神経系前駆細胞は、何かしらの神経保護因子を分泌することにより神経細胞の脱落を抑制するものであると考えられる。
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