研究課題/領域番号 |
17791332
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
藤田 智史 日本大学, 歯学部, ポストドクター (00386096)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
薬物誘発不随意顎運動の発現には、線条体のドパミン機構が重要な役割を果たしていることが報告されている。この部位には大脳皮質からグルタミン性神経の、青斑核からのノルアドレナリン性神経の投射が知られているが、ドパミン性神経系との相互関与機構に関しては不明である。また、近年新生期におけるbisphenol-Aを処置するとドパミン神経系に障害が起きる可能性が指摘されている。そこで、不随意顎運動の中枢制御機構を解明する目的で、ドパミン受容体を刺激して誘発するリズミカルな顎運動に対するグルタミン性神経、ノルアドレナリン性神経の果たす役割に関して、また、新生期におけるbisphenol-Aの処置がドパミン神経機構に与える影響について検討を行った。 昨年に引き続き行ったグルタミン性神経の役割を検討する実験では、両側の線条体腹外側部に、NMDA受容体アンタゴニストのAP-5(0.1-1μg)を前処置し、apomorphine (1mg/kg)を全身投与した際に誘発される顎運動は、高用量のAP-5を前処置することにより、発現数のタイムコースを変化させることなく、顎運動の質が変容することが明らかとなった。 また、両側の線条体腹外側部に、ノルアドレナリンα受容体アゴニストのphenylephirne (20μg)を前処置することによって、apomorphineを全身投与した際に誘発される顎運動の回数が減少する傾向が認められたが、ノルアドレナリンα受容体アンタゴニストのphentolamine (10μg)の前処置では、特に変化は認められなかった。これに関しては今後、例数を増やしてさらに検討する予定である。 新生期にbisphenol-A (20-40μg)をラットの大槽内に処置し、10週齢においてapomorphine誘発顎運動の回数を比較したところ、対照群とbisphenol-A処置群との間に著明な差は認められなかった。 以上の結果から、ドパミン受容体刺激誘発顎運動に対して線条体腹外側部のNMDA受容体、ノルアドレナリンα受容体は一定の役割を果たしている可能性があるものの、その働きは複雑であることが示唆された。今後、これらに関してさらなる検討が必要と考えている。また、新生期におけるbisphenol-Aの投与は後シナプス性ドパミン受容体の機能を変化させないことが示唆された。
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