研究課題/領域番号 |
17791341
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高木 幸則 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (30295084)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ドライマウス / 口腔乾燥症 / シェーグレン症候群 / 唾液腺 / 画像診断 / MRI / US / 長崎県 |
研究概要 |
我々は、約2年間にわたって、長崎県におけるドライマウス患者の病態解明というテーマを掲げ、画像診断をメインとした新しいアプローチを行ってきた。 これまでドライマウスの代名詞とされてきたシェーグレン症候群(以下SS)を始め、それ以外のドライマウス患者に対しで毛、非侵襲的画像検査(MRI,US)を積極的に応用してきた。特にMRIについては解像力を上げるために高精細撮影が可能なマイクロスコピーコイル(径47mm)を使用し、通常のMRイメージよりも、より定量的で、客観性に長けた診断が可能となった。具体的にはSSにおいて、病期が進行するに従い、腺実質の脂肪変性の割合は増加し、残存する腺葉構造の割合は減少することを定量的に証明できた。また、これまでSS画像診断のゴールデンスタンダードとされてきたX線唾液腺造影に勝るとも劣らない像を造影剤や特殊な手技を必要とせず、簡単に得る事ができた。このMR microsialographyでは、従来の唾液腺造影同様、病期が中期までは、点状像の数とサイズは増加していくが、高度進行例においては、それらは低下し、従来の唾液腺造影との間に相違が見られることを定量的に証明できた。 このようにマイクロスコピーコイルを用いる事で、これまでの定性的、主観的評価から、定量的、客観的評価へとシフトすることが可能となった。これらの結果は、これからのSSの画像診断が、進んでいく方向性を提起できたのではないかと考えている。 また、管系には明らかな異常を認めないが、腺実質(特に耳下腺)への均一な脂沈着を起こし、唾液腺の機能低下を起こすことがある高脂血症による変化も捉える事ができた。 最後に長崎県におけるドライマウスの特異性を探ったところ、放射線被曝と唾液分泌量の減少には有意な相関を認めた。ただし、シェーグレン症候群の有病率には明らかな相関は見られなかった。
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