研究課題/領域番号 |
17791419
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
柴田 武士 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80329200)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | フッ素 / アパタイト / 二酸化チタン / アクリルレジン / 光触媒 / 環境材料 / 触媒・化学プロセス / 生体材料 / 複合材料・物性 |
研究概要 |
本研究は、より効果的に光触媒機能を発揮させるために開発されたフッ素化アパタイト被覆二酸化チタンの効能と性質を調べ、これを歯科用高分子材料(義歯用レジン)に応用することにより、義歯床に高度な防汚・抗菌性を付与させることを目的としている。 1.酢酸緩衝液による酸溶解試験 二酸化チタンを0.1M酢酸緩衝液に浸漬後、その溶出液を遠心分離機にかけて上澄みを採取し原子吸光分析法によるカルシウムの定量分析を行ったところ、フッ素化したアパタイト被覆二酸化チタンはフッ素化していないものに比べカルシウムの溶出量が抑えられていることがわかった。フッ素化アパタイト被覆二酸化チタンは耐酸性能を有することが示唆された。 2.活性酸素種(Reactive Oxygen Species : ROS)の測定 二酸化チタンは紫外線照射するとROSを生成する。そこでフローインジェクションESR法を用いROSの同定・定量を行ったところ、ROSの1つであるDMPO-OH spin adductが検出された。これは光触媒作用によりヒドロキシラジカルが産生されていることを示している。また、ヒドロキシラジカルの生成量は、フッ素化アパタイト被覆二酸化チタンのほうがフッ素化していないものよりも多いことが認められ、光触媒材料としても優れた機能を有していることが示唆された。 3.フッ素化アパタイト被覆二酸化チタン配合床用レジンの機械的強度 二酸化チタンを5重量%の割合でアクリルレジンに配合し、重合、研磨ののちブラックライト照射を行った。これを小型卓上試験機により最大曲げ強さと弾性率の測定を行ったところ、フッ素化アパタイト被覆二酸化チタンは他の二酸化チタンと比較し床用レジンに配合した際の物性に与える影響が少なく、またISO規格を満たしたことから、その有用性が示唆された。 以上の研究結果より、フッ素化アパタイト被覆二酸化チタンは優れた光触媒機能を有していることが認められ、また義歯用レジン応用の可能性についても、その有効性が示されたといえる。
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