研究概要 |
口腔扁平苔癬の検体は66検体得られた。平均年齢58.0歳±15歳、男女比1:5であった。免疫組織学的検討を行ったところ、ヘキスト33258を用いた蛍光抗体法、DABを用いた酵素抗体法両者においてFOXP3の発現を確認することが出来なかった。DABを用いた酵素抗体法においてはCD3,CD4,CD8発現は確認することが出来た。次に、FOXP3の発現の有無を確認するためにRT-PCR法を用いて解析を試みた。免疫染色用に採取した凍結組織切片よりRNAを回収するためQIAGEN社のRNeasy Mini Kitを用いてRNAの回収を行った。回収できるRNA量は一定していないが、約56%の確立で回収が可能となった。FOXP3のプライマーをデザインし、その発現を現在解析中である。シェーグレン症候群患者の小唾液腺は20検体得られている。扁平苔癬でのFOXP3発現解析の結果に応じて解析を行う予定である。予定された実験計画に対して、臨床検体として末梢血を得ることが出来なかったため、小組織片を用いた解析のみ行った。小組織片は比較的順調に得ることが出来るシステムを確立した。抑制性T細胞としてFOXP3陽性細胞の同定が出来ていないことが大きな問題点である。遺伝子レベルでの発現を再確認しつつ、手技的な問題も再度検討し引き続き研究を継続する予定である。
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