研究課題/領域番号 |
17791483
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
古内 秀幸 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (80316398)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 生体材料 / Drug Delivery System / 骨再生 / bFGF / TGF-β1 / β-リン酸三カルシウム / 酸性ゼラチン |
研究概要 |
口腔外科領域は易感染性の環境であり、手術後の顎骨欠損を補填する場合、異物として残存しない吸収性材料が安全である。しかし従来型では骨への置換が遅く、感染リスクも抑えられなかった。これを解消するため、生体内吸収性のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)にゼラチンハイドロゲル(GHG)を複合させ、材料表面の低架橋度GHGからbFGF(1.0μg・10.0μ9/骨欠損部)を早期に徐放し血管新生を促進させ酸素や栄養を供給し、時間差をもって。高橋度GHGからTGF-β1(0.1μg/骨欠損部)を徐放し骨芽細胞を増殖促進させる新規骨補填材の開発を行った。これをラット頭蓋骨に形成した欠損部に移植し骨再生を評価した。 単純X線写真では移植4週後、対照群(生理食塩水)が骨欠損形成直後とほぼ同様に対し,材料移植群(bFGF・TGF-β1含有)では、再生骨により欠損辺縁のX線不透過性が増加した。8週後、材料移植群では、さらに不透過性の増加、欠損面積の縮小を認めた。骨塩量は8週後、bFGF 1.0μg群で6.59±0.36mmA1、10.0μg群で8.46±0.99mmA1であり、対照群(3.34±0.59mmA1)より有意に高値を示した。マイクロフォーカスX線CTでは、4週後のbFGF 10.0μg群で欠損部骨膜側で著明な骨添加を認めた。8週後、対照群の欠損径縮小は僅かであったが、bFGF 1.0μg群では欠損中央から再生骨が観察され、10.0μg群では欠損に対する再生骨体積の割合が最も高く24.0±7.67%であった。骨質を表ずピクセル濃度値は、いずれの群もほぼ同等で、本材料による再生骨が骨質の点で劣るものではないことが示唆された。以上から、本材料により骨再生が促進される可能性が示唆された。また材料の作製ではGHGの架橋度を過剥に上げると吸収が遅延するためこの調整が重要と思われた。
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