研究課題/領域番号 |
17791519
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
原田 史子 新潟大学, 大学院医歯学総合研究科, 研究員 (00397150)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 歯根膜 / 神経栄養因子 / 神経栄養因子受容体 / 下歯槽神経 / 神経再生 / 三叉神経節 |
研究概要 |
歯根膜の機械受容器であるルフィニ神経終末は高い神経可塑性を有し、下歯槽神経切断実験では、神経切断後約1か月で再生する。近年、我々は、歯根膜ルフィニ神経終末の生後発達や再生過程に高親和性神経栄養因子受容体であるTrkBのリガンドであるbrain-derived neurotrophic factor (BDNF)、Neurotrophin 4/5(NT4/5)が関与していることを報告した。これら2種の神経栄養因子は歯根膜ルフィニ神経終末の発生、再生過程において、異なる時期に作用していることが想像された。 本研究では、下歯槽神経切断モデルを用いて、NT4/5遺伝子欠損マウスの歯根膜ルフィニ神経終末の再生過程を免疫細胞化学的に検討した。さらに、持続的recombinant NT4/5投与がルフィニ神経終末の再生過程に及ぼす影響を検討し以下の結果を得た。 1.NT4/5欠損マウスの歯根膜における神経密度は、sham群の解析の結果、野生型マウスに比べ約16%の低形成を示した。 2.野生型マウスと比較した、NT4/5欠損マウスの神経密度の減少率は、下歯槽神経切断後3日で最大となり、次いで7日後、その後はほぼ同レベルに保たれた。 3.持続的recombinant NT4/5投与による回復実験では、下歯槽神経切断後7日、14日後の神経密度はvehicle群に比べそれぞれ上昇したが、7日と14日後の上昇率に有意差はなかった。また、下歯槽神経傷害を行わなかった群の歯根膜ルフィニ神経の密度も上昇した。しかしながら、野生型のルフィニ神経終末に見られる多数の微小突起の発達は見られなかった。 本研究の結果から、NT4/5は下歯槽神経切断後、歯根膜ルフィニ神経終末の再生過程の初期過程において重要な役割を果たすことが示唆された。また歯根膜ルフィニ神経終末の再生過程には複数の神経栄養因子が時期依存的に関与していることが伺えた。
|