1.胃がん術後患者の退院後の食事への取り組みを支援する看護援助の実施 平成17年度に2名、平成18年度にさらに5名の研究参加が得られた。対象は、外来に通院中の胃全摘術後患者で、男性1名、女性4名、50歳代3名、60歳代2名。研究参加開始時に術後24日目〜90日目であった。看護援助前の面接調査では、食事に伴う苦痛として、つい早く食べてしまい詰まることや、食べられるものが限られること、食事量が足りているか心配などがあった。食事への取り組みとして、退院時の栄養指導を守る、いろいろな食品を食べる、給食サービスの利用、FeやCaを強化したおやつの利用、などがあった。食事写真調査の回収は、研究参加者の手間を考慮し郵送回収とし、看護援助は電話でも行った。援助内容は、食事量の概算の説明、症状改善方法のアドバイス、心理的サポートを中心に、研究参加者の訴えにできるだけ対応できる内容とした。 2.胃がん術後患者の退院後の食事への取り組みを支援する看護援助の評価 上記5名の参加者に、看護援助の約1週間後に本研究による看護援助の評価について調査した。自分の食事を見直せた、不足しがちな栄養に気をつけるようになった、新しい食品を試そうと思えた、食事の話ができることに安心感が持てた、などの意見があった。 3.胃がん術後患者の退院後の食事状況の実態の分析 平成18年度までの全研究参加者7名の食事写真と食事記録から、管理栄養師の協力を得て、摂取栄養量の概算を行った結果、摂取量には非常にばらつきがあり、カルシウムや鉄が目標量の半分にも達していない者が3名おり、食事内容の改善の援助が必要性であると考えられた。 平成17年〜18年7月までに得られたデータをもとに、研究成果を、日本がん看護学会第2回国際学術集会で発表した。
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