本研究は、在宅療者を介護する男性介護者が自己の生活を維持・冉構築するために、どのような行動をとっているのか実態を明らかにし、女性介護者と比較検討を行った。対象は訪問看護を利用している部分介助から全介助の介護度を要する者を主に介護している家族を対象に、データを収集し、生活の再構築の動に関連した要因を整理した。 抽出された生活の再構築の行動は、1.療養者の体調・安全・日常生活の維持することに関する行動、2.自己の体調・感情を調整することに関する行動、3.自己の日常生活を維持することに関する行動、4.介護環境を整えることに関する行動、5.介護技術の獲得に関する行動、6、救助行動に関する行動であった。そして男性介護者の特微として1.療養者の体調・安全・日常生活を維持することに関する行動は、排泄介助に対する抵抗、排泄方法の工夫・変更であった。2.自己の体調・感情を調整することに関する行動は、食生活の見直し.・是正、運動習慣の定着、睡眠時間の確保であった。また、様々なストレスに対しては限の中で、外出や趣味を行う自らの時間の確保であった。3.自己の日常生活を維持することに関する行動は、家事技術の習得・代行者の確保、公的サービスの活用、自分の生活に介護を取り入れる、仕事の調整であった。4.介護環境を整えることに関する行動は介護用品・家屋の開発・工夫であった。5.介護技術の獲得に関する行動は他者の援助を摸索する、調べるであった。6.救助行動に関する行動は、インターネット・書物による情報の探索・活用、公的サービスの探索・活用であった。生活の再構築に取り組む男性介護者への支援として、介護管理に関する行動を支援する、介護者の自己を調整する姿勢を支援する、介護者の健康を守る姿勢を支援する、介護者の救助行動の拡大を支援することを提案する。
|