研究概要 |
本研究課題の目的は,在宅要介護高齢者の介護サービス利用状況と身体・精神・心理機能・QOL等の健康指標を3年間にわたって縦断的に評価することにより,高齢者が受ける各種介護サービスの効果を明らかにすることである。平成17年度は,在宅高齢者を対象とした質問紙調査によりベースラインとなるデータを取得するとともに,3年間の縦断研究が可能なコホートを確保することを目的に重県伊賀市在住の70〜74歳の高齢者530名を対象に自記式質問紙による調査を行い,238名(44.9%)から平成18年度以降の研究協力への同意を得た。平成18年度は介護サービス提供の実態を把握するために,介護支援専門員を対象とした半構成的面接調査を実施した。最終年度である平成19年度は,平成18年度に実施した介護支援専門員を対象とした半構成的面接調査の結果を活用しつつ調査票を作成し,平成17年度に確保したコホートを対象とした追跡調査を実施した。質問項目は,身長・体重,家族構成,移動能力,外出頻度,うっ傾向,要介護度,介護サービスの利用状況,平成17年度の調査から19年度の調査の問に生じたライフイベント(罹患,近親者の死等)平成17年度に研究協力の同意が得られたもののうち,住所が正確に記載されていた214名に調査票を配布し平成20年3月の時点で,168名(78.5%)から返信を得た。介護サービスが要介護高齢者および家族に及ぼす効果に関する貴重な縦断データが得られた。
|