研究分担者 |
谷岡 勇市郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (40354526)
海野 徳仁 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30004477)
金沢 敏彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (30114698)
金田 義行 海洋研究開発機構, プログラムディレクター (50359171)
源栄 正人 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281708)
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研究概要 |
2005年8月16日11時46分頃に宮城県沖で気象庁マグニチュード7.2の地震が発生し,最大震度6弱を記録した.この地震は典型的なプレート境界型地震であり,発生が予測されていた「宮城県沖地震」の想定震源域内で発生したが,その規模は想定されていたM7.5程度よりも一回り小さく、政府の地震調査委員会が想定していた「宮城県沖地震」ではないとされた. 本研究は,今回発生した地震について詳細な解析を行い,さらに臨時余震観測や地殻変動観測を実施し,今回の地震活動とその地震発生場の特徴を正確に把握して,想定「宮城県沖地震」と今回の地震との関係を明らかにするとともに,将来発生する「宮城県沖地震」の想定モデルを高度化することを目的として実施された. 様々なデータ・手法に基づく,地震時すべり分布や余震分布の比較解析により,今回の地震は1978年の宮城県沖地震の破壊開始点付近のアスペリティのみを破壊し,1978年の地震の時の主破壊域は破壊しなかったことが明らかになった.さらに過去の地震との比較により,1930年代の地震も今回と同様に,1978年の破壊域を幾つかの地震で分割して破壊していた可能性が高いことが明らかになった.海底地震観測により,今回の地震が構造上のプレート境界で発生していたことが示され,かつ,震源域の東端がプレートの折れ曲がり位置に対応していることがわかった.余効すべりはそれほど顕著ではないが震源域の南側に広がったことが明らかになった. 今回の地震の1秒以下の帯域の高周波エネルギーは内陸の地震に比べて極めて大きく,一方,1〜2秒の帯域は1978年の地震に比べてかなり小さい事がわかった.また,1秒以上の長周期の地震波については,地殻・上部マントルについての3次元構造を考慮する事により,関東平野までの広い領域の観測波形のスペクトルをよく再現することができた.
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