研究分担者 |
陳 光斉 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50293882)
真木 太一 九州大学, 農学研究院, 教授 (80314970)
立川 康人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40227088)
北村 良介 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026296)
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研究概要 |
2005年9月5日〜9月7日にかけて九州地方を通過した大型で非常に強い台風14号は,進路の東側において記録的な豪雨をもたらした.特に,宮崎県では1300mmを超える期間降水量が観測されたが,これは,1976年に九州においてアメダスが整備されて以降,初めての記録であった.主な災害の種類としては,河川の氾濫等による浸水被害,土石流などの土砂災害であり,これらは,豪雨を誘因とする九州地方における大きな災害としては,わずか2年まえの2003年7月豪雨災害に次ぐものである.本研究は,今後の研究に繋がるように、災害状況の学術的詳細を記録・保存するために実施されたもので、限られた時間と予算の中で得られた成果は以下のとおり, (1)河川災害の発生過程に関する研究では、多数の箇所で発生した氾濫についての発生メカニズムを明らかにし,確率統計学的手法により,洪水の規模の評価,流出予測モデルの検証を行った, (2)土砂災害に関する研究では、土砂災害の地形・地質・植生的特徴を明らかにし,それを引き起こした地盤力学的原因,水文学的原因を明らかにした. (3)災害情報伝達・避難に関する研究では、避難指示・勧告など,災害に関する情報がどのように伝達され,また,避難がどのように行われたかを調査した. (4)台風による降雨の集中に関する研究では、稠密な気象データを利用し,気象学の立場から,台風にかかわる豪雨の時間変化・空間分布などを調べ,降雨の特性と被害の関連を調べた. (5)リモートセンシングの活用に関する研究では、地形・土地条件に関する現地調査・分析ならびに衛星データ・航空写真を用いた解析を実施し,洪水との関係を調べた.
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