研究実績の概要 |
本研究は,日本の主な貿易相手国が参加するアジア太平洋地域の貿易協定によって日本の貿易ネットワークがどのように変容したかを解明することである.特に,1980年台からの約30年間における主要な自由貿易協定(FTA)に着目し,2国間,地域間,および国際貿易の関係に対してどのような影響を与えたかを,ネットワーク分析の手法及び可視化技法を用いて明らかにする.さらに重力モデルにもとづくネットワークの影響評価も同時に行う.本年度は,以下の作業を行った.1)データ収集:1980年以降の日本および主要貿易取引相手国の貿易データを収集し,国別に集約したデータを作成した.またそれらを用いて基礎的な分析を行った.2)ネットワークの中心性指標の導出:収集したデータに基づき日本を含む貿易ネットワークを構築し,主として中心性に関する指標を計算した.3)ネットワーク構造の変容の分析の準備:環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の導入に伴うネットワーク構造の変容を見るための準備的な作業を行った.これらの作業による結果について,Netsci 2017 (June 2017, Indianapolice, USA)および Netscix 2018 (November 2018, Hangzhou, China)において報告を行った.
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