研究課題/領域番号 |
17F17020
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 昌信 九州大学, 数理学研究院, 教授 (70202017)
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研究分担者 |
MATTHES NILS 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2017-10-13 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2018年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2017年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 楕円多重ゼータ値 / Fay identity / Kronecker関数 / Multiple zeta values / Associators / Double shuffle equations / Elliptic functions |
研究実績の概要 |
特別研究員Nils Matthes氏はその学位論文において,楕円二重ゼータ値のなす空間の次元を完全に決定しているが,そこにおいて彼は Fay シャッフル関係式(Fay identity)という関係を独自に発見,証明し,さらに,本質的にこの関係式がすべての線型関係を与えることを証明した.その上,次元の上限だけでなく,独立性も証明することによって,次元を決定した.この仕事の意義は単に次元を決定しただけに留まらず,楕円多重ゼータ値が,従来の多重ゼータ値理論において不思議に現れていたモジュラー形式との関係を,概念的理論的に説明出来る可能性をはっきり示したことにある. Matthes氏はここに現れている Fay identity の役割を深く考察し,Kronecker関数という,古典的なテータ関数から構成される重要な関数が,本質的には Fay identityで一意的に特徴付けられることを示した.モジュラー形式の周期は,周期多項式というもので理解されるが,これは Gangl-Kaneko-Zagierの仕事により,二重ゼータ値と深い関係があることが示され,その関係を真に理解することが当分野での最重要問題と言ってもよいような対象である.そして楕円多重ゼータ値を研究する大きな動機の一つとして,このモジュラー形式との関係を真に理解することがある.Matthes氏の Kronecker関数の Fay identityによる特徴付けの議論は,関数等式から導かれる,冪級数の係数が満たす非線型漸化式を解くという,ある意味自然なもので,多少の工夫は必要になるものの,込み入った議論を必要としないものである.氏はその優れた洞察力から,Fay identityの持つ意味を明らかにした.非常にエレガントな仕事であり,楕円多重ゼータ値とKronecker 関数を結びつける大変重要な仕事である.
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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