研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、固相中でのボールミリングによる2次元ナノ材料(二硫化モリブデン、MoS2)のはく離についても検討を行った。はく離剤としてコール酸ナトリウム(SC)を用い、SC/MoS2 の量比(0.2ー4.0)、容器の容量に対するボールの容量比(φ = 10, 50, 80%)、回転速度(r = 100 - 600 rpm)、ミリング球のサイズ (d = 2, 5 mm), ボールミリングの時間 (t = 0.5 - 24 h)、bulk MoS2 の初期重量(m = 0.0 - 1.0 g) などの条件の最適化をおこなった。その結果、SC/MoS2 = 0.75, φ= 50%, m = 0.20 g の条件下で 95% 収率で MoS2 ナノシートが得られた。これについては、ごく最近、論文発表を行った。 一方、直径 50 nm のナノダイヤモンド(ND50)と磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)との複合体(ND50-PG-SPION)の合成についても検討を行い、SPION と ND50 との重量比が 10:90, 30:70, 50:50 である3種類の ND50-PG-SPION の合成に成功した。これらを動的光散乱(DLS)で分析したところ、それらのサイズが 50, 68, 71 nm であることが明らかとなった。、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察すると、ND50 の周りに 5 - 10 nm 程度のサイズの SPION が結合している様子がはっきりと確認できた。さらに、ND50, SPION の結晶格子も確認できた。
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