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仮名自筆資料の分析による平安時代文字表記意識の共時的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H00005
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 国語・国文学
研究機関神奈川県立弥栄高等学校

研究代表者

家入 博徳  神奈川県立弥栄高等学校, 教員

研究期間 (年度) 2017
研究課題ステータス 完了 (2017年度)
配分額 *注記
310千円 (直接経費: 310千円)
2017年度: 310千円 (直接経費: 310千円)
キーワード仮名 / 文字表記意識 / 平安時代
研究実績の概要

本研究は、平安時代の仮名自筆資料の分析により、当時の文字表記意識を解明することを目的としており、本年度『高野切本古今和歌集』を用いて文字表記の実態を分析した。『高野切本古今和歌集』は三人によって分担書写されており、一人は書写者が推定されている。したがって、おおよその書写年代が判明されるものである。主として、行に対する意識と異体仮名の使用状況について分析・考察を行った。行に対する意識に関しては、和歌の上下句の区切れを意識した書写がなされていた。つまり、上句と下句をそれぞれ一つの単位として書写が行われていた。しかし、一方でそれとは異なった書写である「故実」と称される書写も同時に行われていた。平安時代以降、和歌の書写は「故実」がなくなり、上下句の区切れを意識した書写になっていくのであるが、『高野切本古今和歌集』が書写された当時はその移行期であったと考えられた。次に、異体仮名の使用状況に関しては、いくつかの仮名に規則的な使用が見られた。句頭句末を意識したと考えられる。そしてそれは、「読みやすさ」を求めたものと考えられた。ただし、文字の連続性と字体との関連も考えられた。また、文法との関連について仮名「は」をもとに分析を行った。『高野切本古今和歌集』の書写者三人に共通して、係助詞に平仮名「は」の文字を多用する傾向があった。また、接続助詞を中心に異体仮名「盤」の文字が使用されており、濁音表記との関連が考えられた。名詞においても「盤」の文字は使用されているが、名詞においても濁音があることから、濁音と清音との区別を示すものであった可能性が考えられた。以上のことから、緩やかではあるものの、文字表記に規範はあったものと考えられた。

報告書

(1件)
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 『高野切本古今和歌集』に見る平安時代表記の共時的規範意識2017

    • 著者名/発表者名
      家入博徳
    • 雑誌名

      研究と資料

      巻: 78 ページ: 1-9

    • NAID

      40021429178

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

URL: 

公開日: 2017-04-28   更新日: 2018-12-20  

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