• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

古墳時代における金工品生産-付着する織物の加工技術についての分析を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 17H00026
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 史学
研究機関宮内庁

研究代表者

土屋 隆史  宮内庁, 書陵部陵墓課, 公務員

研究期間 (年度) 2017 – 2018
研究課題ステータス 交付 (2017年度)
配分額 *注記
390千円 (直接経費: 390千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 390千円)
キーワード古墳時代 / 金工品 / 織物
研究実績の概要

○研究目的 : 本研究では、古墳時代における日本列島と朝鮮半島南部地域の交流の実態を探ることを目的とした。
○研究方法 : 分析資料としては、古墳副葬品の一種である金工品に注目した。金工品は、古墳時代に大陸から朝鮮半島を経由して日本列島に伝播してきたものであるため、古墳時代の対外交流の様相に迫りうる資料である。本研究では、金工品の中でも矢を入れる道具である「盛矢具(胡籙金具、平胡籙金具、靫金具)」と「装飾馬具(辻金具・雲珠)」に付着する織物の加工技術に注目した。織物加工技術のデータを収集し、朝鮮半島南部から日本列島への技術伝播の様相を明らかにすることで、その技術を有していた渡来系工人集団の動向を検討した。
○研究成果 :
1. 盛矢具の織物加工技術に異なる技術(A、B)を確認
先行研究の成果をもとに、盛矢具にみられる織物加工技術を縁かがり(技術A)と伏組繍(技術B)に区分して検討した結果、技術Aは胡籙金具(山形突起付帯形金具をもつセット)、技術Bは胡籙金具(三葉形立飾付帯形金具をもつセット)・靫金具・平胡籙金具に多くみられることを確認した。さらに、技術Aは鉄製冑、技術Bは馬具(辻金具・雲珠)にもみられ、盛矢具はこれらのそれぞれと一部製作工程を共有していたことが判明した。
2. 技術A、Bの系譜が判明
技術Aは5世紀後葉以降の百済と倭、技術Bは5世紀中葉以降の百済、新羅、大加耶、阿羅伽耶、倭においてみられることが判明した。技術Bは日朝で広くみられた織物加工技術であったのに対し、技術Aは百済と倭という限定された地域で用いられた技術であった可能性がある。倭ではこの両方の技術が併存している。この背景として、故地の異なる渡来系工人集団が倭の金工品生産に関与しており、百済をはじめとした半島南部の様々な地域と倭が交流関係にあったことが明らかとなった。

報告書

(2件)
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果発表報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 倭における盛矢具の生産体制とその変化2021

    • 著者名/発表者名
      土屋 隆史
    • 雑誌名

      『日本考古学』

      号: 52 ページ: 1-16

    • NAID

      40022648747

    • 関連する報告書
      研究成果発表報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 東北アジアにおける矢筒金具の展開(韓国語)2018

    • 著者名/発表者名
      土屋 隆史
    • 学会等名
      金工品からみた古代東亜細亜世界の交流
    • 発表場所
      国立慶北大学校博物館(韓国・大邱広域市)
    • 年月日
      2018-12-15
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 古代日本の盛矢具と母子大刀-羅州伏岩里丁村古墳出土品との比較検討-(韓国語)2018

    • 著者名/発表者名
      土屋 隆史
    • 学会等名
      古代韓・日の矢筒と装飾大刀
    • 発表場所
      国立羅州文化財研究所(韓国・羅州市)
    • 年月日
      2018-09-13
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] 古墳時代の日朝交流と金工品2018

    • 著者名/発表者名
      土屋 隆史
    • 総ページ数
      316
    • 出版者
      雄山閣
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

URL: 

公開日: 2017-04-28   更新日: 2022-04-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi