• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

北海道東部における「アイヌ文化」の地域性解明に向けた基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H00030
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 地理学・文化人類学・地域研究
研究機関標津町ポー川史跡自然公園

研究代表者

小野 哲也  標津町ポー川史跡自然公園, 学芸員

研究期間 (年度) 2017
研究課題ステータス 完了 (2017年度)
配分額 *注記
520千円 (直接経費: 520千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 520千円)
キーワード道東アイヌ / 発掘調査 / 地域連携
研究実績の概要

本研究では、北海道東部におけるアイヌ文化の成り立ちを探り、地域の特性を理解する足がかりを得ることを目的に、標津町内に所在する大規模竪穴住居跡群、標津遺跡群を構成する遺跡の1つ、ポー川河岸3遺跡を対象に、地元標津高校の生徒や、根室管内教職員らと共に発掘調査を行った。この遺跡は、標津町内を流れるポー川の自然堤防上に残された遺跡で、方形、長方形の平面形を呈する合計6基の堅穴住居跡が、地表面からくぼみとして観察できる状態で残されている。標津遺跡群で確認されている堅穴の大半は、標高9m以上、または15m以上の台地の上に残されているが、当遺跡は標高2~3mの低位段丘面に位置し、他の堅穴群とは遺跡の立地が異なる。従来、竪穴くぼみの平面形からおよそ1,000年前の擦文時代のものと捉えられてきたが、今回の調査の結果、考古学の時代区分では、アイヌ文化期に比定さる、14世紀まで下る竪穴であることを確認した。この結果は、標津町内に残されたくぼみで残る大規模竪穴住居跡群は、従来想定されていた時代幅よりも広い、縄文時代からアイヌ文化期(中世相当期)に至る竪穴群であることを証明する重要な成果となった。また、遺跡周辺の地形形成史を探る基礎調査を行った結果、ポー川河岸3遺跡が残された自然堤防は、中世以降河川氾濫の影響を受け難い安定した土地となった可能性が推定されたため、アイヌ文化期に比定される竪穴が、ポー川の自然堤防上に多く残されている可能性が想定された。今回の調査結果を踏まえ、今後も引き続きポー川自然堤防上の遺跡を重点的に調査し、今回確認した竪穴よりもさらに新しい、近世に比定される竪穴の有無の確認を行っていく。また引き続き標津高校等と連携し、調査そのものを地域の教育資源として活かしていくよう努めていく。

報告書

(1件)
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 6~9世紀における北海道出土鉄器の供給地域について2018

    • 著者名/発表者名
      小野哲也・赤沼英男・目時和哉
    • 雑誌名

      北海道考古学

      巻: 54 ページ: 75-88

    • NAID

      40021713795

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 前近代の北方社会における鉄器流通実態の解明(4)2018

    • 著者名/発表者名
      小野哲也・赤沼英男・目時和哉・小杉山大輔
    • 雑誌名

      岩手県立博物館研究報告

      巻: 35 ページ: 15-30

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] 北海道出土漆器の供給ルートについて2018

    • 著者名/発表者名
      小野哲也
    • 学会等名
      アイヌ漆器の学際的研究
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2018-03-04
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

URL: 

公開日: 2017-04-28   更新日: 2018-12-20  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi