研究実績の概要 |
<研究の目的> 本研究では, 太陽の日周運動を直感的に地球の自転に結びつけられるような教材を開発し, この単元での学習のつまずきを解消することを目的とした。 <研究方法> (1) 教材の作成と実践 ・LEDライトの平行光線で表現した太陽光線の宇宙空間モデルを用意する。 ・今回開発した南中高度を測定する教材(以下, 南中高度計)を用いて, 各都市における南中高度の値を測定する授業を行い, ワークシートや事後のアンケートの分析を行う。 (2) 教材の特色 今回開発した教材は, 南中高度を数値で表すことができ, 比較することが容易になること, 宇宙空間で地球が自転しているという現象が地上で見かけの運動とされている日周運動とのつながりを理解することの2点を容易にする。日周運動を理解することが, 今後学習する太陽の南中高度の違いが生ずることの理解を容易にすると考えられる。 <研究成果> (1) 生徒の授業後アンケートでは, オリオン座の写真, 3地点のモデル実験, 南中高度計により興味や関心が高まり, 楽しく, 実感を伴った理解につながったと回答する生徒が9割以上であった。 (2) 生徒のワークシートの記述について, 主なものを以下に示す。 ・南半球で, 太陽が東→北→西の空を通る理由が分からなかったが, 実際に自分たちで光を当てることにより, もやもやしていた部分が解消した。 ・三つの地点を同時の観察ができたので比較がしやすく, わかりやすかった。 ・天体はなかなかイメージができたいことが多く, 暗記に頼って勉強していた。頭の中で考えてもぐちゃぐちゃになって結局分からないので, 理解することを諦めていた。今日の実験を通して「わかった」というスッキリ感があり, 楽しかった。 ・接線になっていないとうまく図れない。垂直かどうか調べる装置がほしい。
|