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ハス群落による食物網を通したニッチ創出 : 安定同位体比を用いた徘徊性クモの餌推定

研究課題

研究課題/領域番号 17H00445
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 生物学Ⅱ(動物)
研究機関仙台市役所

研究代表者

安野 翔  仙台市役所, 環境対策課, 技師

研究期間 (年度) 2017
研究課題ステータス 完了 (2017年度)
配分額 *注記
310千円 (直接経費: 310千円)
2017年度: 310千円 (直接経費: 310千円)
キーワードクモ / 浮葉植物 / 浅い湖沼
研究実績の概要

陸域と水域の移行帯では、夏季に浮葉・抽水植物が水上葉を展開することで、クモや陸上昆虫にとっての“一時的な陸地”となる。陸域と水域から葉上に餌資源が供給されるため、食物網を通して高次捕食者のニッチが生み出されると考えられる。本研究では、浅い富栄養湖の伊豆沼(伊豆沼)において、ハス群落葉上の徘徊性クモ類の餌資源を明らかにし、葉上食物網形成におけるハスの役割の解明を試みた。
2017年6月、7月、9月に、伊豆沼中央部のハス群落内と南岸において、徘徊性のニセキクヅキコモリグモとその餌候補となる水生昆虫及び陸生昆虫を採集した。炭素・窒素安定同位体比(δ^<13>C・δ^<15>N値)の測定後、ベイズ推定を用いた混合モデルにて餌資源を推定した。
水生昆虫のδ^<15>N値(各月の平均 ; 7.5~8.3‰)は、陸生昆虫(3.9~5.5‰)よりも高く、餌候補として十分に区別可能な値であった。クモは、調査期間を通して餌候補の昆虫よりも概ね高いδ^<15>N値を示した。一方、9月には、ハス群落内のクモのδ^<13>C値(-26.8±0.6‰(平均±SD))は、岸際の個体(-30.8±1.7‰)よりも高く、地点間で餌資源が異なることが示唆された。
混合モデルによる解析の結果、いずれの月、地点においてもクモは陸生昆虫をあまり捕食しておらず、水生昆虫に依存していたことが明らかになった。9月には、ハムシ類(-24.7±0.8‰)とその他の水生昆虫(-30.9±2.8‰)で異なるδ^<13>C値を示したので、別々の餌資源として解析した。その結果、岸際では、クモはハムシ類以外の水生昆虫に依存していたが、ハス群落内では、クモは、ハムシ類に最も依存していた。
以上の結果から、ニセキクヅキコモリグモは水生昆虫を主に捕食していること、ハス群落内では、特にイネネクイハムシを含むハムシ類を主に捕食していることが明らかになった。ハス群落は、夏季にクモや昆虫にとっての一時的陸地となるだけではなく、自身がイネネクイハムシの食草となり、クモに餌を供給することで、葉上食物網の形成に寄与していると考えられる。

報告書

(1件)
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ハス群落に形成された徘徊性クモ類を中心とする水上食物網2018

    • 著者名/発表者名
      安野 翔、嶋田哲郎、倉谷忠禎、藤本泰文、鹿野秀一、菊地永祐
    • 学会等名
      第12回 伊豆沼・内沼研究集会
    • 発表場所
      伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター(宮城県)
    • 年月日
      2018-02-17
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2017-04-28   更新日: 2018-12-20  

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