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薬剤性便秘に対する緩下剤の投与法の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H00543
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 薬学Ⅳ-A
研究機関岐阜大学医学部附属病院

研究代表者

石原 正志  岐阜大学, 医学部附属病院, 主任薬剤師

研究期間 (年度) 2017
研究課題ステータス 完了 (2017年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
2017年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード便秘 / 緩下剤 / 5-HT3製剤
研究実績の概要

【研究目的】オピオイド(以下、OP)は便秘を引き起こす薬剤としては最も高く、これまで我々はOPによる便秘(以下、OIC)対策に緩下剤の予防投与が重要であることを明らかにした。今回、OP以外にも便秘を高率に引き起こす薬剤として制吐剤である5-HT3拮抗薬に注目し、化学療法を受けている患者の便秘の発現状況について調査・解析し、5-HT3製剤投与時の適切な緩下剤の投与方法を検討した。
【方法】2015年4月から2017年3月の期間に外来化学療法で抗がん剤治療を受けられている患者634症例を対象に、制吐剤として5-HT3製剤が投与された患者と投与されていない患者の緩下剤使用状況を比較検討し、さらに緩下剤使用に影響を及ぼす要因について解析した。
【結果】全症例634例中、緩下剤を使用している患者の割合は34.6%であった。また、このうち、緩下剤を定期的あるいは頓服使用している患者の割合は共に16.2%であった。抗がん剤治療で5-HT3製剤を使用している患者数は293例であり、全体の46.1%を占めていた。5-HT3製剤が制吐剤として用いられている場合の緩下剤使用率は37.9%であり、5-HT3製剤が投与されていない患者の緩下剤使用率27.9%に比べて、有意に緩下剤使用率は高かった[p=0.008]。すなわち、5-HT3製剤を含む治療を受けている患者の便秘発現率は緩下剤使用状況からも高いと推察される。緩下剤の種類については酸化マグネシウム(以下、MgO)を定期的に服用されている場合がほとんどであった。また、緩下剤使用に影響を及ぼす要因について解析を行った結果、性別、年齢(70歳以上)、抗がん剤の種類は緩下剤使用の要因にならなかったが、5-HT3製剤は緩下剤使用に影響に及ぼす要因であった[オッズ比=1.579, 95%信頼区間=1.130-2.206]。
【結論・考察】以前、我々が報告した内容と同様に、5-HT3製剤投与患者は緩下剤使用率も高く、便秘発現率も高いと考えられた。また、我々はOICにMgOの予防投与が有用であると報告した。今回、5-HT3製剤投与によると考えられる便秘に対してMgOの使用が多かったが、MgOを予防投与することが有用であるかどうか不明であり、今後検証することが必要である。その一方、現在、便秘に対して多くの薬剤が臨床現場で使用できるようになっている。新薬等の緩下剤を含め、化学療法、特に制吐剤使用時の便秘や抗がん剤等による便秘、慢性便秘に対して、適切な緩下剤の使用法の確立をしていく必要があると考えられる。

報告書

(1件)
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 緩和ケアにおける便秘に対する緩下剤の使用方法2017

    • 著者名/発表者名
      石原 正志
    • 学会等名
      日本緩和医療薬学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(札幌)
    • 年月日
      2017-06-03
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2017-04-28   更新日: 2018-12-20  

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