研究課題/領域番号 |
17H00833
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 明治大学 (2017, 2020-2022) 金沢大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
神谷 嘉美 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (90445841)
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研究分担者 |
本多 貴之 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40409462)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
36,920千円 (直接経費: 28,400千円、間接経費: 8,520千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2017年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
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キーワード | 文化財 / 保存処置 / 合成樹脂 / 複層構造 / クロスセクション / Py-GC/MS / 漆文化財 / 切削 / 微量分析 / 文化財分析 / 有機文化財 / 断面切削 / 微量採取 / 南蛮漆器 / 高分子 / 漆芸技法 / バインダー17 / 黒色 / 材質分析 / 複合物 |
研究成果の概要 |
モデルサンプルと、実際に保存処置が行われた文化財サンプルにおける微量での検討では、後世修理として合成樹脂が使用された場合、漆樹の同定は非常に困難であることを明らかにした。この改善方法としては、誘導体化試薬を用いた高感度分析法を用いるだけでなく、マイクロナイフや超音波によるミクロ切削といったサンプリング方法を工夫し、サンプルの採取性を向上させることが有効であるとわかった。層ごとの分析では、切削した微量の粉末試料を回収するために開発した「ヤモリテープ法」が簡便であったものの、共存する合成樹脂の種類によっては検出感度を低下させることがわかってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで有機溶媒に不溶となる有機文化財の科学分析に関しては、分析法ごとに測定サンプルが必須であり、様々な情報を得るために破壊分析が可能な多くの測定サンプルを必要としていた。最表面から切削していく分析手法も、粉末サンプルを余すところなく回収することが困難で、最終的には大きな面積を破壊する分析になっていた。そこで多層構造をしている有機文化財を対象として、1つの微小な剥落片から複数の情報を取り出すことに特化した分析システムの構築を試み、断面からの微小切削といったサンプリング等の手法を確立した。制限の多い有機文化財分析分野におけるクロスセクションの利用拡大の可能性を示すことができた。
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